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東芝総会で会社提案可決 物言う株主「今後も支援」

東芝の総会では株主提案がいずれも否決された(東京・新宿)

東芝は31日、東京都内で定時株主総会を開いた。筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントを含む2社による推薦人物の取締役選任を求める提案はいずれも否決された。車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)を含む取締役候補者12人の選任など、会社提案はすべて可決された。会社側と大株主が対立する構図になっていたが、会社側が支持を集めた格好だ。

「東芝による架空取引の開示はあくまで子会社の問題としており、事態を矮小(わいしょう)化しているとしか見えない」。エフィッシモ側の弁護士、国広正氏が株主提案の理由について説明すると拍手が起こった。総会での一場面だ。

今回の総会では取締役の選任を巡り、東芝と一部の株主が対立していた。エフィッシモは東芝子会社での架空取引を問題視し、企業統治(ガバナンス)強化のため推薦する3人を取締役として受け入れるように求めた。3D・オポチュニティー・マスター・ファンドも2人の取締役の受け入れを提案。ともに会社側は反対を表明していた。3Dは車谷社長ら2人の取締役再任にも反対を表明し、車谷社長の再任など会社提案が否決されるシナリオも一部投資家の間でささやかれていた。

社外取締役で取締役会議長を務めていた小林喜光氏(三菱ケミカルホールディングス会長)は総会で「継続性と一体性の観点から現行の体制を維持するのが望ましい」と強調した。採決でエフィッシモの提案に賛成の拍手をしたのはエフィッシモ側のみ。株主提案はすべて否決され、会社提案が原案通り可決した。

総会をもって小林氏は社外取締役を退任し、後任の取締役会議長には中外製薬の永山治名誉会長が就く。車谷社長を含む残る11人は再任する。

会社提案に賛成し株主提案に反対した80歳代の男性株主は「ファンドの提案もあったが、いまの東芝は法令順守の面でも改善が見えて、評価できる」と話した。60歳代の男性株主は「経営陣にはガバナンス改善を引き続き求める」と語った。

東芝は株主との間で緊張が続いている。不正会計問題に加えて米原発子会社の巨額損失も発覚し、債務超過を解消するため実施した2017年の約6000億円の増資で引き受け手になったのが「物言う株主」だった。現在は約3割を占めるとされ、強い影響力を持つ。

総会では会社提案が株主提案より支持を集めたが、東芝が31日に示したのは決議の結果だけで、賛成や反対などの割合は発表していない。8月上旬にも公表する方針で「物言う株主」らの影響度をはかる指標となる。

エフィッシモは30日に東芝株を一部売却し、保有割合が15.36%から9.91%に下がったと発表したが、存在感は大きい。国広氏は総会後の取材で「提案は否決されたが、一定の意義はあった。しっかりコミュニケーションを繰り返しながら東芝の企業価値向上に助力する」と話した。

エフィッシモも「大株主の立場から東芝を支援していく」とのコメントを出した。東芝の経営陣には対立を経たうえでの協調が求められる。

(矢尾隆行、河端里咲)

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