ファクタリングのオルタ、地銀と資金繰り支援

売掛債権を買い取るファクタリングを手がけるOLTA(オルタ、東京・港)は30日、地域金融機関と連携しサービス提供を始めると発表した。群馬銀行、十六銀行と組み、両行のサービスとして取引先に紹介する。新型コロナウイルスの感染拡大で資金繰りに苦しむ地方中小企業の支援につなげる。
十六銀行は30日から、群馬銀行は8月上旬からオルタのファクタリングサービスを顧客企業や個人事業主に提供する。同社のサービスは手続きがオンラインで完結し、人工知能(AI)の活用などで審査結果を24時間以内に回答するのが特徴だ。両行はオルタと組んで短期少額の資金ニーズに効率的に応え、ファクタリングの収益はオルタと分け合う。
オルタはサービスの認知度を高める狙いがある。同社は決算書などの情報をもとに審査し、請求書の金額から2~9%の手数料を差し引いて債権を買い取る。企業は取引先から入金された後にオルタに弁済する仕組み。新型コロナの影響で利用が伸びており、2017年の創業からの申込金額が累計で200億円を超えた。
沢岻優紀最高経営責任者(CEO)はオンラインの会見で「融資先になる前の少額資金の需要にファクタリングで応えることで、地銀と競合せずに協業できる」と強調した。