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香港、民主派の議会選立候補認めず 活動家の黄氏ら

【香港=木原雄士】香港で民主派への逆風が一段と強まってきた。選挙管理当局は30日、9月の立法会(議会)選挙で黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏ら民主派12人の立候補を認めない決定を下した。政府は新型コロナウイルスを理由に選挙の延期を検討しており、立法会選で躍進を狙った民主派は厳しい立場に追い込まれた。

立候補禁止になったのは著名な活動家の黄氏に加え、郭栄鏗(デニス・クオック)氏ら現職議員、たびたび反政府デモを主催した劉穎匡氏、元記者の何桂藍氏ら。立候補届け出の際に香港基本法を支持する文書に署名した候補者も含まれる。

香港政府は禁止の理由として香港国家安全維持法への反対を挙げた。多くの民主派は同法に反対の立場で、立候補禁止がさらに増える可能性がある。政府の予算案に反対を表明したり、外国政府に干渉を求めたりする行為も出馬禁止の理由に挙げた。

前回2016年の選挙では香港独立を主張したとして6人の立候補資格が取り消された。今回は比較的穏健な民主派にも対象が広がり、公正な選挙を求める市民や欧米が反発を強めるのは必至だ。

複数の香港メディアによると、政府は選挙の1年延期も検討している。表向きはコロナの感染拡大が理由だが、親中派が延期を強く主張していた。民主派の間では延期期間中に香港国家安全法による締め付けが強まるとの見方が出ている。

香港警察は29日、同法違反で香港独立を主張する団体「学生動源」の鍾翰林・元代表ら16~21歳の男女4人を逮捕した。同法施行後、警察の内偵捜査に基づく逮捕者は初めて。独立派など活動家の取り締まりはすでに本格化している。

鍾氏らはSNS(交流サイト)上で「香港共和国」の建国や徹底抗戦を呼びかける組織を立ち上げ、国家分裂を扇動した疑いなどが持たれている。香港警察で国家安全を担当する李桂華・高級警司は29日深夜の記者会見で「インターネット上の行動も法律の規制対象だ。無責任な行動を取れると考えてはならない」と警告した。

学生動源は16年に設立され、中国からの独立を掲げてきた。香港国家安全法が施行される直前に香港で活動を停止し、米国などに拠点を移すと表明していた。今月21日付で学生動源の元メンバーが創設したとされる「創制独立党」が逮捕のきっかけになった可能性がある。独立党はフェイスブックで「香港共和国の建国だけが唯一の道だ」と宣言した。

香港国家安全法の規定では国家分裂の行為を画策したり参加したりすると最高で終身刑が科される。警察はすでに携帯電話やパソコンを押収しており、今後本格的な捜査を進める。

香港独立は14年の大規模デモ「雨傘運動」の挫折後に若者を中心に広がった主張だ。香港基本法は「香港は中国の不可分の領土」と規定する。香港政府は18年に独立を訴える政治団体「香港民族党」の活動を禁止するなど、厳しい姿勢を示してきた。

香港国家安全法の施行後、抗議活動の現場で「香港独立」と書かれた旗を持っていた男を逮捕した例はあったが、活動家をまとめて摘発するのは初めてだ。独立を主張する急進的なグループを徹底的に取り締まる狙いがあるとみられる。

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