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パナソニック9年ぶり最終赤字 コロナ禍の傷深く

航空機や自動車向け事業が落ちこんだ(航空機向け娯楽システム)

パナソニックが30日に発表した2020年4~6月期の連結純損益(国際会計基準)は98億円の赤字だった。4~6月期に最終赤字となるのは東日本大震災の影響を受けた11年4~6月期以来、9年ぶり。新型コロナウイルスによる航空業界の投資抑制や自動車各社の世界的な工場停止が響き、法人向け事業を中心に大きな打撃を受けた。

新型コロナの影響で最もダメージが大きかったのは電池などの車載部品関連の事業で、売上高が2108億円と前年同期比44%減少した。需要急減の影響は大きく、固定費削減などの対策では補いきれなかった。

法人向け機器事業では旅客機の客席画面で映画などを楽しめるエンターテインメントシステムの販売が落ち込んだ。この事業では大型プロジェクターなどで東京五輪・パラリンピックといった国際イベントの需要も見込んでいたが、不発に終わった。営業損益は160億円の赤字だった。

コロナ禍での「巣ごもり需要」や衛生意識の高まりは一部の事業に追い風となったものの、全体でみればマイナス影響の方が大きかった。

家電事業では世界各地のテレビやエアコンなどの工場が外出制限で稼働を一時停止した。デジカメの欧州販売が減少するなどの要因もあった。中国で美容家電が好調に推移するなど明るい要素も一部にあったが、押し上げ効果は小さかった。

照明・住宅設備事業は除菌脱臭器「ジアイーノ」の販売が大きく伸びた一方で、電源プラグなどの配線器具や住宅設備は商品供給が滞り、これが収益の重荷となった。

増益を唯一確保できたのが電子部品事業だ。売上高は2886億円と12%縮小したが、営業利益は92億円で前年同期比75%伸びた。データセンター向けの蓄電システムや産業用のモーターの販売が伸び、高速通信規格「5G」の基地局向け基板材料なども拡大した。

これまで開示していなかった21年3月期の通期の業績予想も発表した。売上高は前期比13%減の6兆5000億円、純利益は56%減の1000億円を見込む。「第2四半期以降は黒字化する」(梅田博和取締役常務執行役員)見通しという。利益の確保を優先するため設備投資は絞り込む。

コロナ禍を乗り切る守りの姿勢と、将来の成長に向けた攻めの投資。この難しいバランスが問われることになる。

(川崎なつ美、梅国典)

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