OLCの最終赤字、過去最大の248億円 TDR休業で

オリエンタルランド(OLC)が30日発表した2020年4~6月期の連結決算で、最終損益は248億円の赤字(前年同期は229億円の黒字)だった。新型コロナウイルスの感染拡大で運営する東京ディズニーリゾート(TDR)やホテルを休業したことが響き、赤字幅は過去最大となった。
売上高は前年同期比95%減の61億円、営業損益は156億円の赤字(前年同期は319億円の黒字)だった。従来であれば売上高のほとんどを占めるTDRとホテルの休業で、固定費がほぼそのまま損失となった。そのうち一部の人件費や減価償却費など211億円を特別損失に計上した。
「キャスト」と呼ばれる準社員などへの休業手当については、国の雇用調整助成金を申請しており、補償額の最大75%程度が支給される見込み。4~6月期の決算ではその分をすでに織り込み、人件費が圧縮されて赤字が縮小した。
21年3月期の業績予想は引き続き未定とした。7月1日にはTDRやホテルの営業を再開したものの、パークでは「密」を避けるため、入園者数を大きく減らしての運営を余儀なくされている。
再開当初は1日1万6000人程度と、通常時の平均(8万5000人程度)の2割弱としていた。その後は段階的に増やし、現在は3万~4万人程度のもようだ。あるOLC幹部は「利益を確保するためには1日当たり5万~6万人まで増やす必要がある」と話す。
負担が重い固定費は、安全性に支障のない範囲で一部の施設更新を先送りしたり、広告宣伝費などを削減して対応している。ただ、パーク内でのソーシャルディスタンス(社会的距離)の徹底や検温など感染防止対策で「予想外に人件費がかかる」(前出の幹部)という。
投資計画の見直しも焦点になる。従来、21年3月期以降の投資額は年1000億~1500億円になるとしていた。投資総額2500億円のパーク拡張や315億円を投じるホテル建設などは計画通り進めるものの、未着手の施設リニューアルなどについては精査し、20年4~9月期決算の発表時に今期業績予想とともに方針を公表する予定だ。