神戸・新長田の再開発、赤字326億円 検証会議を設置

阪神大震災25年
関西
兵庫
2020/7/30 18:45
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神戸市は30日、阪神大震災復興で進めてきたJR新長田駅南地区(19.9ヘクタール)の再開発事業について、1994~2023年度までの収支見通しが326億円の赤字になりそうだと発表した。バブル崩壊直後に用地を高値で取得したものの、地価下落で市の商業床などで想定した売却益が得られていないことが主因。市は有識者会議を8月に設置し、収支や事業効果を総合的に検証し、年内に報告書をまとめる。

市内最大級の再開発エリアであるJR新長田駅南地区=神戸市提供

地権者からの土地買収費や再開発ビル建設費、公園・道路整備などに要した総事業費は2279億円。収入は国の補助金や市が保有する商業床の売却益など1772億円。現時点で売れ残っている市の商業床約3万9千平方メートルの売却見込み額181億円を加えても、326億円の赤字となる。売却見込み商業床のうち95%では賃料収入を得ている。

一方で同地区では人口が震災前の35%増の6000人になった。3公園を整備し、住宅戸数は約9割増の2800戸となった。分譲マンションや商業施設など建設中も含め計44棟が完成する。市と兵庫県が19年に職員約1000人が勤務する「新長田合同庁舎」を建設したほか、23年には県立の専門学校が設けられ、昼間人口も震災前の水準を上回ると見込む。

再開発にあたり計821億円の市債を発行。事業収入から返済する予定だったが、不足分は一般会計の繰入金で対応する。

8月に設置する公認会計士や都市計画、不動産鑑定の有識者からなる有議では、事業収支のほか、災害に強い街づくり、早期生活再建が実現できたかなど総合的な事業効果の検証を進める。神戸市都市局は「(赤字は)自慢できることではないが精いっぱいやった。震災復興の早期生活再建では一定の成果が上がったと考えている」と話す。

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