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コロナでも生産、輸出上向く 名古屋で本社景気討論会

(更新)

日本経済新聞社と日本経済研究センターは30日、名古屋市内で景気討論会を開いた。新型コロナウイルスの感染が再び広がる厳しい環境下でも、自動車を中心に輸出や生産は回復に向かうなど景気には一部で上向く兆しが出ているとの見方が目立った。働き方改革やデジタル化が、コロナ後の成長をけん引するとの見方で一致した。

新型コロナ対策として来場者を前回の約380人から約60人に絞った。会場では4人のパネリストと来場者の間にパーテーションを設けるなど、感染防止に十分な配慮をしたうえで開催した。

討論する(左から)水野、加藤、美和、小峰の各氏(30日、名古屋市中村区)
■景気討論会の出席者
・水野明久氏(中部経済連合会会長)
・加藤毅氏(日銀名古屋支店長)
・美和卓氏(野村証券チーフエコノミスト)
・小峰隆夫氏(日本経済研究センター研究顧問)
 司会は日本経済新聞社編集局次長兼経済部長・藤井一明

――国内経済の現状をどうみる。

水野氏「4~6月期の景況感の悪化はリーマン危機を超えるほどだった。緊急事態宣言の解除で経済活動は戻るとみていたが、新型コロナの感染拡大は収まらず、厳しい状況にある。悲観一色というわけではなく、製造業では自動車や工作機械の生産は7月に入って戻ってきている」

美和氏「4~6月期と比べて7~9月期の統計は上向くだろうが、抑え込まれてきた需要が吹き出すにすぎない。景気は大文字の『L』のような低い水準での動きになるだろう。サービス業の回復はかなり先になる。強めに見ているのは輸出だ。自動車は米中での販売拡大が追い風になる」

――景気の中期的な見通しは。

小峰氏「国内総生産(GDP)がコロナ前に戻るには少なくとも2年はかかる。新型コロナのような外的要因による危機に日本は強く、重症者数などは欧米と比べるとかなり低い。一方、不良債権処理など内的な問題に日本はうまく対処できてこなかった。コロナ後は財政ばらまきの後処理といった課題に直面する。うまく対応できるかが焦点になる」

加藤氏「コロナ禍で企業の資金繰りに目立った支障はおきなかった。これはリーマン危機との大きな違いだ。企業からも先行きは不安だが、今後の対応などを考える時間はあるとの声を聞いている。この状態を維持できればコロナ前の水準に戻っていくだろう」

――世界経済の注目点は。

小峰氏「今年の米国の大統領選が焦点になる。バイデン氏が勝利したとしても保護貿易主義は変わらないとみている。そもそも民主党は共和党より保護主義的だ。対中政策も強硬路線は基本的に変わらないだろう」

美和氏「米中の政治的な緊張は続くだろうが、米ソ冷戦時代のように二大国がバランスを取って併存する形になるとみている。米中が技術面で切磋琢磨(せっさたくま)し、イノーべーションを生み出す。株式市場にとっていい環境になるのではないか」

――政策への要望は。

水野氏「コロナ禍でデジタル面の遅れが鮮明になった。行政を含めたデジタル化は喫緊の課題だ。密集を避けるためにも東京一極集中を是正する議論を深めるべきだ」

加藤氏「目先に注力すべきは新型コロナに対応するワクチンの開発だ。資金繰りは引き続き力を入れて支援していく」

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