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現役最年長の阪神・福留 闘志健在、光る勝負強さ

福留は7月16日のヤクルト戦で決勝2ラン。勝負強さは健在だ=共同

プロ野球の現役最年長選手、阪神・福留孝介(43)が頑張っている。競争の激しい外野のポジション争いに食い込み、後へ引かない。チーム若返りとの兼ね合いがあるが、勝負強いこのベテランは阪神に欠かせない。

長寿選手に必要な条件は丈夫な体、豊富な練習で磨いた技術、強い意思だ。福留にはそのすべてが備わっている。1999年に中日へ入団し、5年間の米大リーグ生活を経て2013年に阪神入りした。

人当たりはいいが、プレーには厳しい。一塁ベースカバーを怠った藤浪晋太郎をたしなめたことがあった。出過ぎと見られたが、勝つための正論に周囲も納得した。若手へのアドバイスも惜しまない。最近では近本光司、北條史也に的確なヒントを与えて感謝された。

五輪イヤーで早い開幕が予定されていた今季なので、キャンプでは早めに進めた。ところが、開幕は延期に次ぐ延期。鍛え抜いた福留でも、調整に苦しんだ。6月19日の巨人との開幕戦は5番左翼で出た。関東地区での3カードに続き名古屋、広島を回る5カード連続の遠征は体にこたえた。先発メンバーからはずれ、調子は上がらない。

甲子園へ戻ったら、本来の力を発揮すると期待された。チームは徐々に調子を上げたが、福留の調子は相変わらず。ベテラン休養日をはさむ代打起用ばかりでは力を出しにくい。

それでも、強い体と意思は健在だった。7月16日のヤクルト戦。代打起用から中堅守備に入り、二塁打と1号ホーマーで4打点を挙げた。それだけにとどまらない。「いい状態をキープしたい」と翌17日の2軍戦に指名打者で志願出場して3打数1安打。使われない不満を口にせず、使われるように準備するという考えを実行した。

21日からの広島3連戦では5番中堅で先発出場した。19日の中日戦で3安打4打点の大当たりだったのと、中堅・近本の不振が背景にあった。それにしても、脚力が落ちたベテランを広い甲子園の中堅で起用するのは勇気がいる。

それだけ、矢野燿大監督は福留の守備を信頼している。福留も状況をわきまえたポジショニング、カンのいいスタートで期待に応えている。ただ、打撃はまだ本調子でない。速球に差し込まれないように振りが強く、大きくなり、ミートの精度が落ちた。サンズ、近本の調子次第で出番はどう変わるか。

球界には指導者への転身を意識して「にわか優等生」になるベテランが多い。福留には無縁のこと。戦う姿勢を崩さない盛夏の復活が見ものだ。

(スポーツライター 浜田昭八)

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