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松山三越、上層階に高級ホテル 30年ぶり大型改装

30年ぶりの大型改装について説明する松山三越の浅田社長(29日、松山市)

松山三越(松山市)は29日、三越として初めて上層階に高級ホテルを入居させる、30年ぶりの大型改装計画を発表した。9月から順次工事を進め、2021年秋にグランドオープンする。自前の売り場を中層3フロアに集約し、1階や地下には瀬戸内の土産物や食に関する専門店を配置。近隣百貨店などとの競合で売り上げの減少に苦しむ中、生き残りをかけたテコ入れを図る。

松山三越の浅田徹社長は29日に開いた記者会見で、「中途半端なら撤退した方がいい。地域百貨店のモデルを作り上げ、早期の黒字化を目指したい」と述べ、店舗ビルを建て替えた1991年以来となる大規模改装への強い覚悟を示した。

同社によると、宿泊施設の開業は全国の三越でも初めて。詳細は未定だが、7~8階にデザイン性の高い「ライフスタイルホテル」として設ける。客室数を絞り込み高単価に設定する。道後温泉でホテルを展開する茶玻瑠(松山市)が運営を担当。愛媛出身の有名デザイナー、石本藤雄氏とコラボする計画だ。上層階にはこのほかセルフエステなど美容と健康に関する専門店を導入する。

衣料、雑貨など自前の売り場は中層の2~4階に集約する。ブランド数は3分の1ほどになる見込みで好調なブランドを除き大幅に入れ替える。伝統的に1階に置く化粧品売り場も、2階に移転する異例の配置だ。

低層階には瀬戸内の食を扱うフードホールや地産地消マルシェ、土産物店などを誘致。観光客に加え、これまで購買に結びついていなかった近隣住民を取り込む「全員ターゲット」戦略だ。

松山市中心部の大街道商店街に立地する松山三越(29日)

新型コロナウイルスの影響で、当初は今春に発表予定だった計画が7月にずれ込んだ。改装工事は段階的に進め、一部売り場の営業は続ける。

同店は戦後間もない46年の開業。市中心部の大街道商店街入り口の好立地で、売り場面積約2万平方メートルのビルは自社所有。商都・松山の顔として長く親しまれてきた。

しかし、2020年3月期売上高は前年比10%減の117億3100万円と、ピーク時の1996年の4割ほどに。減収は6期連続、赤字は10期連続だ。近年は、いよてつ高島屋に人気店の流出が相次ぐ。

高島屋が「東急ハンズ」など若年層を意識した売り場作りを進めるのに対し、三越は中高年層を中心に根強い支持を集める。2月には三越伊勢丹ホールディングスのネットワークを活用し東京都心店舗の商品を取り寄せられる「デジタルサロン」を初めて開設。デジタルを通じて高額品の扱いを維持し、富裕層をつなぎ留める。

浅田社長は「1つの街に同じ百貨店は2ついらない」と話し、改装による高島屋との差別化を強調。中心商店街の両端に位置する両店が集客装置となることで、エリア全体の回遊性向上を目指す方針だ。(棗田将吾)

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