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トルコでSNS規制法成立 中東、強権で相次ぎコロナ批判封じ

【イスタンブール=木寺もも子】トルコ国会は29日、SNS(交流サイト)の統制を強める法案を可決した。新型コロナウイルスへの対応や景気悪化に対する市民の不満が高まっており、デモや言論を規制する傾向が強まっている。中東各国で同様の動きが見られ、民主主義が後退する懸念がある。

トルコではデモや言論を規制する傾向が強まっている(19日、イスタンブール)=ロイター

トルコで29日、成立したSNS規制法は、ツイッターやフェイスブックなどの大手各社に国内事務所の設置を義務付ける。当局はプライバシーなどを理由に不適切と判断した投稿について削除などを求め、応じなかった場合は罰金やアクセスの制限などの罰則を科す。

エルドアン大統領は自身の親族やコロナ関連対策への批判が相次いだことをきっかけに1日、SNSについて「完全に閉鎖するか、政府の統制下に置きたい」と述べていた。トルコ政府は過去にもたびたびSNSを遮断したり、投稿者を拘束したりしており、国際連合人権高等弁務官事務所は「(新法は)表現の自由をさらに侵害する」と懸念を示していた。

新型コロナの影響でトルコ経済は苦境にある。国際通貨基金(IMF)は2020年の実質国内総生産(GDP)成長率をマイナス5%と予測する。政権はSNSの規制で不満を表面化させない狙いがある。

感染拡大を口実とした締め付けも強まる。首都アンカラは7月上旬、2週間を期限にデモの禁止を発表した。翌日には弁護士法の改正法案に反対する大規模デモが予定されており、これを阻止する狙いだったとの見方が強い。改正法は人権問題などで政府に批判的な弁護士会の分割を可能にするもので、11日に国会で可決した。

高まる不満を強権で抑え込もうとする動きは中東各国で相次ぐ。AP通信によると、新型コロナによる死者数がアラブ諸国で最悪のエジプトでは2月以降、少なくとも医師10人が当局に逮捕された。同国の医療体制の脆弱さについて記事を書いたことなどが理由と見られている。

反政権デモが続くイスラエルでは22日、政府の新型コロナ対策の権限を大幅に拡大する法律が可決した。政府はデモや礼拝に条件を課すなどのさまざまな行動制限を議会のコロナ対策委員会の事前承認なしで実施できるようになる。

イスラエルでは6月、対テロ治安機関が市民の携帯電話情報の通信情報などから感染者の行動を期限つきで追跡できるようにする法律も成立した。感染は6月以降、急拡大しており、通信情報の活用は感染抑止の効果が期待される一方、市民への監視に道を開く恐れがある。

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