支出は3つに仕分け 無駄遣いをあぶり出す
Dr.マネーお悩み外来 Vol.7

Dr.マネーお悩み外来
コラム
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2020/8/4 2:00
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本日もお金の悩みを抱えた人が、「白鳥FP事務所ZOOM相談」にやってきました。「自分のお金は自分で管理運用できるように、一生困らないマネーリテラシーを身につける」をモットーに、FP(ファイナンシャルプランナー)の白鳥京香がみなさまのご相談にお応えします。

Case2-4: 前回に引き続き、食品メーカーにお勤めのBさん(28歳、女性)です。今回は、「毎月自由に使っていいお金」をいかに上手にやりくりしていくかを考えます。というのも、お金の使い方によって、生活の質、ひいては人生の質を上げることができるからです。
 前回の処方箋は、
・実行できる必要貯蓄率を求めることが大切
・確実に貯蓄をするには、毎月自由に使える金額を知ること
でした。

白鳥 先日のお給料日に貯蓄はできましたか?

Bさん はい! ボーナス分と合わせて19万5000円貯蓄しました! なんか充実感があります。

白鳥 それはよかった。自動積み立てで貯金していくのも便利でいいのですが、自分の手で貯蓄口座に移すと励みにもなりますよね。「今月もためられた!」と貯蓄残高を見るのは、続けるコツでもあるのです。ネットバンキングでも簡単にお金を移動できますし、ぜひ、実行してみてください。

白鳥 さて、ではお金の使い方について考えます。Bさんは、先取り貯蓄をしていますので、あとの25万4000円は自由に使って大丈夫です! とはいえ、決まった支出もありますので、次のように考えてはいかがでしょう。

支出を「(1)生活に必要な支出」「(2)自己投資のための支出」「(3)心を豊かにする支出」の3つに仕分けます。これは人生、学びながらスキルアップし、人脈も広げながらキャリアアップをしていく「ポケモンGO型人生」仕様です。3つの項目は自由に設定していただいて大丈夫です。

実際に支出項目を分けて、大体の予算を立ててみましょう。

Bさん 3つの予算の比率は「5:1:4」って感じかな。

白鳥 予算の比率は月によって変わっても問題ありません。例えば、仕事がすごく忙しい月には外食やタクシー代が増えることもあるでしょう。「生活に必要な支出」が増えて「8:1:1」になったとしても構わないわけです。お金は単なる物やサービスへの交換手段ですから、便利さや時短のために使えばいい。前にこんな質問をしましたね。この中の(8)「決めたルールを守れないことで、自分を責めたことがある」は、「NO」で全然問題ないのです。

Bさん なるほど。例えば、月の食費をいくらまでと決めていて、守れないと罪悪感やストレスを感じていましたが、そんなこと思わなくていいんですね!

白鳥 そうです。これからお金を使うときは、頭の中で3つの仕分けをしてください。例えば、スターバックスのカフェラテも、ランチのときの飲み物として「生活費」に分類してもいいかもしれませんし、あるときは仕事のエネルギーになる「自己投資」かもしれません。あるいは、会議の後の「お疲れさま、わたし」という「心を豊かにする支出」の1杯かもしれません。そこは自由にジャッジしてOKです。

その上で、3つのどれにも当てはまらない支出は「無駄遣い」ですので、買うのをやめましょう。まずは、自分が使うお金に意識的になることが大切なのです。

「考えるより慣れろ」ですので、とりあえず今日から2週間、「頭の中で3つの仕分け」を続けてみてください。そして必ずレシートをもらいます。原則は、夜寝る前に5分間の「C(貯蓄)タイム」を設け、レシートを上記の3つに分けて合計します。ノートでもエクセルでもどういう方法でもよいので記入し、今月あといくら使えるお金があるのかを確認してください。毎日のCタイムをとるのが無理なら、1週間分まとめても構いません。それ以上レシートがたまると嫌になるので少なくとも週に一度は必ず残高チェックをしましょう。

Bさん わかりました。3つに分けて合計して書くだけなら続けられそうです。

白鳥 家計簿はつけることが目的化してしまいがちです。つけたからといってお金がたまるわけでもありません。忙しい毎日を送っているのに、家計簿をつけることに大切な時間を取られてしまっては本末転倒です。お金の管理はできるだけシンプルに。今後、次のお給料日まで貯蓄を取り崩すことなく予算内で生活できるようになれば、3つの仕分けとCタイムはやめても結構です。

Bさん つまり、自分の支出の管理を体で覚えればいいんですね。太りにくい身体に体質改善ならぬ、ためられる身体を手に入れる! レシートがいっぱいたまったままだった「ブタさん財布」ともさよならできますね~。

白鳥 さて、10の質問の残りの項目について考えてみましょう。

(1)「買い物したあとに罪悪感」と(3)の「買い物をするときに言い訳」は、3つの仕分けをすることでなくなりますね。(4)の「ついで買い」や(5)の「暇つぶし、気分転換、ストレス解消買い」は予算という概念がないことで起こる行動です。定期的なCタイムで残高を頭にいれておけば、予算内で合理的にお金を使おうと思うようになります。将来の自分を支えるお金をちゃんとためていくためには予算を守ることです。(6)の「よく売れているから」などの理由で買ってしまう行為は、3つの仕分けのどれにも当てはまりません。直感や感情に流されるお金に使い方は無駄遣いです。

(10)の「ポイント還元、ディスカウント、セール」については、欲しかったものを買うチャンスではなく販売する側のマーケティング戦略です。くれぐれも上手に利用してください。「たまったポイントは使わなくては損」という考え方も、失効しては大変と慌てて不要なものを買ってしまえば無駄遣いとなります。ポイント商法に引っかからないでくださいね。

Bさん 最初の面談のときに聞いた「お金をためるには行動と環境が大切」という意味が理解できました。

白鳥 中島みゆきさんの「糸」という歌に、「縦の糸はあなた、横の糸は私」という歌詞があります。貯蓄も行動と環境のどちらが欠けてダメということで。すみません。ちょっと例えが古いですね。とにかく淡々と続けることです。モチベーションがなくても、歯みがきみたいに習慣化するのです。積み重ねていける環境が長期的な結果を作ります。

では、今日の処方箋をお渡しましょう。

◇  ◇  ◇

・お金を使う時は、支出の質に意識的になる

・習慣化できる環境を作ることが大切

岩城みずほ(いわき・みずほ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)。オフィスベネフィット代表。「金融商品を販売することによるコミッションを得ず、中立的な立場でコンサルティングする」をモットーに、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長も務める。著書に『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)など。https://www.officebenefit.com/
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