西部ガスの21年3月期、純利益68%減 商業施設向け不調

西部ガスは29日、2021年3月期の連結純利益が前期比68%減の15億円になりそうだと発表した。連結売上高は7%減の1910億円を見込む。新型コロナウイルスの影響で商業施設などのガス需要が振るわず、販売量は通年で1%減る見通し。飲食事業などを手掛けるグループ会社も新型コロナで採算が悪化する。
21年3月期のガス販売量は前年が暖冬だった影響もあり「7月以降は前年比で横ばい以上で推移する」と見込む。新型コロナの影響では、営業利益ベースでガス事業、飲食など関連事業ともそれぞれ約15億円の減益を見込んでいる。九州北部で新設するガス幹線の減価償却費も重く、利益を圧迫する。
同日発表した20年4~6月期の連結売上高は、11%減の434億円、経常利益は38%減の18億円だった。都市ガスの値下げや不動産事業のマンション販売戸数の減少も響いた。
同期中のガス販売量は家庭用が5%増えた一方、業務用は18%減だった。家庭用は在宅時間が増えたことで伸びたが、商業施設・学校のガス空調や自動車など工場向けの販売が振るわなかった。道永幸典社長は「他業種に比べ(都市ガスの需要減など)新型コロナの影響は限定的だったが、安穏とはしていられない」と話した。
併せて同日、10月1日付で西部ガス興商の商号を「西部ガス都市開発」に変更し、不動産の取得や開発機能を同社に集約することも発表した。