旭化成系など、使用済み「ジップロック」をシェア傘に
旭化成ホームプロダクツなどは29日、プラスチック製の食品保存袋「ジップロック」を回収し、雨傘に再利用するサービスを開始すると発表した。傘はシェアリングサービス向けに活用し、西武鉄道池袋線の沿線を中心に配置する。使い捨てプラスチックの有効利用を進め、資源の循環体制構築をアピールする。

旭化成ホームプロダクツが販売するジップロックを、米スタートアップのテラサイクルがウェブサイト上で回収を募る取り組みを始めた。消費者は使用済みのジップロックをテラサイクルに送付する。回収に協力した量に応じ、任意のNPO法人などに寄付できるポイントを付与する予定だ。今後は店舗での回収ルートも構築する方針。
回収したジップロックは、樹脂ペレット状に加工した上で傘用のフィルムを成型する。リサイクルされた傘はスタートアップのネイチャー・イノベーション・グループ(東京・渋谷)が手掛ける傘シェアリングサービス「アイカサ」で使用する。傘のデザインはセレクトショップ大手のビームス(東京・渋谷)が監修した。
リサイクル傘はジップロック16枚分で1本分になるという。1千本を製造し、西武鉄道の西武池袋線の26駅のシェア拠点に配置する。サービス提供は1年間を予定するが、利用状況をみながら順次拡大していく方針だ。
同日記者会見した旭化成ホームプロダクツの沢江潔社長は「お客様に楽しんでいただきながら『持続可能な社会』『循環型社会』について考えるきっかけを提供したい」と語った。ネイチャー・イノベーション・グループの丸川照司社長は「使い捨てのビニール傘が問題になっている。シェアすることで環境面での価値はより大きくなる」と述べた。