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相次ぐ逆転負け…投手の必勝リレーに正解はあるか
野球データアナリスト 岡田友輔

2020/7/30 3:00
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22日のヤクルト戦の九回、1死満塁のピンチを招いた山崎に声を掛けるDeNAのラミレス監督(80)=共同

22日のヤクルト戦の九回、1死満塁のピンチを招いた山崎に声を掛けるDeNAのラミレス監督(80)=共同

4分の1を過ぎたプロ野球ペナントレースでリリーフ投手の不調が目立っている。勝ちパターンに持ち込んだチームの投手リレーが崩れ、逆転負けするケースが相次いでいる。26日にはDeNAが八回以降、広島に6点差をひっくり返された。大洋時代以来、69年ぶりの大逆転負けだという。過密日程の今シーズン、投手の運用方法に"正解"はあるのだろうか。(今季データは28日終了時点)

特に深刻なのがセ・リーグだ。五回終了時点で負けていたチームが逆転勝ちした割合は12%と昨季の9%から大きく上昇している。防御率は先発の3.93に対し、リリーフが4.57。多くのチームが救援陣のやりくりに頭を悩ませ、抑えの顔ぶれも開幕当初と変わっている。

通常、リリーフ投手の防御率は先発よりも低いものだ。1人で長い回を投げる"長距離走"の先発に対し、短い回を全力で投げるリリーフは"短距離走"。ましてや今季は延長十回の制限があり、好投手をつぎ込みやすい。開幕が大幅に遅れて調整が難しかった面はあるにせよ、この数字は異常に映る。

肌感覚でも分かる通り、投手の分業化がますます進み、リリーフの重要性は年々増している。昨季、救援投手が投げた割合(対戦打者数ベース)はセ・リーグが38.7%、パ・リーグが39.5%といずれも数年前に比べて5ポイント以上伸びた。先発投手の平均投球回数はセが5.46、パが5.41。六回途中で継投に入るのが一般的になっている。リリーフの方が失点しにくいことを考えれば、これ自体は合理的な流れだろう。

西武・増田達至のように今季も好調なリリーフ投手もいるが…=共同

西武・増田達至のように今季も好調なリリーフ投手もいるが…=共同

投手起用について、データアナリストは様々な研究を重ねてきた。状況ごとの勝利期待値や投手の力量などに基づいて分析すると、いくつかの「正解」が導き出される。

参考になるのは次のようなものだ。「3点リードの九回は平均的な投手でもほとんど逆転されないので、リリーフエースを使うのは得策ではない」「回をまたいでもリリーフの成績は下がらない。重要な局面では抑えを八回から投入すべし」。データ分析の名著「BASEBALL BETWEEN the NUMBERS」では「継投のやりくりだけで、チームは最大シーズン4.5勝分を上積みできる」と指摘されている。

こうした知見を踏まえ、「日替わりクローザー」に代表されるブルペンの最適化を目指したレッドソックスのような球団もある。しかし、理論上の最善が現場で機能するとは限らない。「登板のタイミングが分かりにくい」といった不満や「準備したのに試合展開が変わってしまった」といった混乱が生じ、長続きしなかった。

■ブルペンの運用、例年以上に重要に

株式投資をする人にとって大底で買って最高値で売り抜けるのは理想だが、そんなことはそうそうできない。有望株に長期投資する方が結局は運用成績が上がるというのはよくあることだ。継投も似ている。理想を目指してこねくり回すより、多少のロスには目をつぶり、信頼できる投手をイニング固定で使う。現実にそういうチームが多いのは、それなりに理由があることなのだ。

とはいえ、あまりに失敗が続くようなら放っておけない。DeNAの山崎康晃は12試合の登板で3敗を喫し、防御率8.74。不調が明らかな場合は根本的な原因を突き止めて取り除かなければ、傷口が広がることになる。

スタミナや回復力、フォームなど個人差が大きい投手は、ベストな球数や登板間隔をマニュアル化することが難しい。首脳陣が個々のコンディションやチーム状況を見極め、シーズンを通してブルペンの力を維持できなければ競争力を大きく落としてしまう。唯一の正解はないとしても、過密で短い今季のペナントレースにおいて、その運用が例年以上にカギを握ることだけは確かだろう。

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