海底ケーブルが重要な理由とは?


海底ケーブルはインターネットに欠かせないインフラです。国際通信の95%は海底ケーブルを経由しています。あらゆるモノがネットにつながるIoTや次世代通信規格5Gの普及で通信量が増えると見込まれており、拡充が課題になっています。全体の市場規模は2025年までに220億ドルに増える(20年は130億ドル)と米調査会社はみています。
海底ケーブルの計画を進めていたチリ政府は、日本の提案したルートを採用しました。チリからニュージーランドを経由し、オーストラリアのシドニーに達するルートです。中国が提案していた、チリと中国を直接結ぶルートは採用されませんでした。海底ケーブルの中継器から通信データが監視される恐れが指摘されており、中国のスパイ活動に使われることを懸念した米トランプ政権が、チリ政府に中国ルートを採用しないよう働きかけていました。
今秋にチリ政府が技術調査の最終報告を公表する見通しです。実施主体となる事業体の設立をへて、来年以降に入札が実施される見込みです。通信ケーブルや関連製品の受注では、提案ルートが採用された日本の企業が有利になります。海底ケーブル事業で中国の華為技術(ファーウェイ)が存在感を高めていましたが、日本ルートが採用されたことで日本企業にもチャンスが回ってきたと言えそうです。
- 【詳しく知りたい人へ】
2015年入社。保育・女性活躍の取材を経て、コンテンツマーケティングを担当。格安スマホに変えてからスムーズな通信環境のありがたみを実感した。

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