キヤノン系、新型コロナの肺炎リスクをCT搭載車で診断

キヤノンの医療機器子会社、キヤノンメディカルシステムズは28日、新型コロナウイルスによる肺炎をコンピューター断層撮影装置(CT)を搭載した車で診断する実証研究に参加すると発表した。CTの車内での運用や、病院と検診車を遠隔で通信して診断するシステムを構築する。新型コロナ感染者の肺炎が重症化するリスクを病院外でも診断できるようにする。
実証研究は横浜市立大学が代表機関で、キヤノンメディカルシステムズと移動検診車レンタルのフリール(群馬県高崎市)が協力して実施する。6月に日本医療研究開発機構(AMED)の開発事業に採択された。8月初旬から2021年3月まで実際に患者を診断して有用性を確認する。
PCR検査で新型コロナについて陽性と診断され、自宅やホテルに待機となった感染者に対して病院外でも肺炎のリスクを診断できるようにする。移動検診車にはキヤノンメディカルシステムズのCTを1台搭載しており、横浜市立大学付属病院と通信して遠隔で診断画像を診断できるようにする。
CTは被曝線量を抑えて診断し、少ない放射線量でもディープラーニング技術で診断画像を精密に構成できる。今後の新型コロナの感染拡大に備えて、陽性者の肺炎の診断体制を整備する。