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全日本王者倒し自信 バドミントン園田・嘉村組(下)

2020/8/2 9:14
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バドミントン男子ダブルスの園田(左)と嘉村

バドミントン男子ダブルスの園田(左)と嘉村

「ちょっとまずい。これは強いぞ」。2009年9月の新潟国体。バドミントンの男子ダブルス準決勝を見ていたトナミ運輸監督の荒木純は、教え子で当時日本一だった平田典靖、橋本博且組が格下ペアに気押されるさまに目を丸くした。

相手は当時19歳の園田啓悟と嘉村健士。熊本・八代東高を卒業後、実業団と大学に進路が分かれた2人は年に1度、県の看板を背負って国体の時だけ再タッグを組んでいた。そんな"期間限定"のペアが全日本王者を倒す番狂わせ。「若いし、勢いもガッツもある。嘉村のドライブは120点。ほぼミスがなかった」と荒木は振り返る。

手応えを感じたのは何よりも本人たちだった。「バッチリ自分たちのスタイルがはまって、勝てて自信になった」と、園田はその日の夜、興奮冷めやらぬまま相方に語りかけた。「一緒にまた組もう」。普段は寡黙なパートナーの申し出を嘉村も驚きとともに受け入れ、荒木ら関係者の尽力もあって再結成が決まった。

嘉村の大学卒業後、ペアとして13年に日本代表入り。国際大会でも少しずつ上位に顔を出し始め、15年、意気揚々とリオデジャネイロ五輪代表の切符をかけた選考レースに臨んだ。

だが、蓋を開けると優勝どころか時には初戦突破すら逃す苦しい戦い。「もうダブルスは厳しいのでは」。リオ行きが絶望的となるなか、そんな心ない言葉もかけられた。レース終了を待たずして「心が折れた」嘉村の脳裏には「引退」の2文字もよぎり始めていた。

「やめるなら満足した状態で終わろう」。選考レースも残り2大会となって、嘉村はある行動を取る。1年分の負けた試合を見返し、敗因分析や対策をひたすらノートに書き出した。

すると直後の大会で準優勝。「冷静に自分のできること、できないことが分かり、周りを見て動けるようになった」。そんな嘉村の変化はパートナーにも相乗効果をもたらす。「ただ後ろでスマッシュするのではなく、コースを使い分けて打ち、健士が決めるパターンが増えた」と園田。自然と、2人の目線はリオの次、東京五輪へと向いた。

昨年4月に始まった2度目の選考レース。日本のエースへと成長した2人は安定した成績で初の五輪切符を手中に収めつつある。新型コロナウイルスの影響でツアー再開は先行き不透明。それでもこの4年間、ともに「リオを逃した悔しさから何くそとやってきて」手に入れた自信がある。1年先に延びた本番まで、もう迷うことはないだろう。=敬称略

(堀部遥)

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