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金国際価格、9年ぶり最高値 ETFに資金流入
「先行き不安・低金利・カネ余り」背景 高値警戒感も

2020/7/27 21:00
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金に世界の投資家のマネーが流入

金に世界の投資家のマネーが流入

金の国際価格が2011年9月以来、約9年ぶりに史上最高値を更新した。新型コロナウイルスのまん延と米中対立の先鋭化で「先行き不安」「低金利」「カネ余り」という金を買う材料が重なった。投資家の資金が金を裏付け資産に持つ上場投資信託(ETF)などを通じて商品市場に流れ込んだ。先高観はなお強いがあまりの急な値上がりに警戒感も出ている。

国際指標のニューヨーク先物価格は中心限月の8月物が日本時間27日夜の取引で一時1トロイオンス1940ドルを突破。11年9月6日に付けた1923ドルの最高値を上回った。もうひとつの国際指標ロンドンの現物取引価格も同27日夜に一時1940ドル超と最高値を更新した。

円建てでも、国内地金商最大手の田中貴金属工業が公表する金地金の小売価格が27日に1グラム7230円(税込み)と最高値を更新。1980年1月に付けた税別最高値も約40年ぶりに上回った。

金の国際価格は年初からの上昇率が約3割に達する。特に先週から上昇が一段と加速している。

コロナ禍の収束が見通せず、経済の先行き不透明感は強い。加えて、先週から米国と中国で互いに総領事館の閉鎖を求めるなど対立が先鋭化。「地政学リスクの台頭で金買いに拍車がかかった」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏)

金の上昇が続く根底にあるのは、コロナ危機への対応として各国が進めた金融緩和と財政拡大だ。金融緩和で主要国の金利はほぼ「消失」し、財政拡大で各国財政は軒並み悪化した。

米連邦準備理事会(FRB)の足元の総資産は3月初めに比べ約6割増加。4カ月間の拡大幅はリーマン・ショック後の危機対応時を上回る。大規模な金融緩和や財政拡大は国が発行する通貨の価値を低下させ、その裏返しとして長期的には物の値段の上昇を招く懸念もある。

将来のリスクを避けようと金を買う一般の個人投資家に加えて、直近の動きには人工知能(AI)を駆使して超短期の売買を繰り返すCTA(商品投資顧問)などの投機マネーも加わっている。

金に流入する様々な資金の受け皿となっているのが金ETFだ。金の国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、ETFが持つ金現物の残高増加額は1~6月の累計が395億ドル(約4.2兆円)と過去最高ペースで推移する。米調査会社リッパーの集計によると、主要5銘柄では7月以降も資金流入が顕著だ。

ETFには個人や投機筋だけでなく、金利低下で国債に代わる収益源を求めて金に中長期的な投資を増やす年金基金など機関投資家の資金も入っている。幅広い資金を集めるETFの厚みが9年前とは大きく異なる。

今後について、日本貴金属マーケット協会(東京・中央)の池水雄一氏は「上げ材料に事欠かず、1トロイオンス2000ドル台も時間の問題」とみる。ただ、足元の値上がりは急だ。マーケットアナリストの豊島逸夫氏は「過熱感も強く、乱高下に注意も必要だ」と警鐘を鳴らす。

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