外国人留学生、窮状続く コロナ禍でバイト収入激減

2020/7/27 18:06
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丸の内ビジネス専門学校(長野県松本市)は困窮する留学生に現金や食料品などを配布した(5月)=同校提供

丸の内ビジネス専門学校(長野県松本市)は困窮する留学生に現金や食料品などを配布した(5月)=同校提供

新型コロナウイルスの影響で外国人留学生の窮状が続いている。主な働き口だった飲食店や宿泊業などが営業不振に陥り、生活費や授業料を賄ってきたアルバイト収入が激減しているためだ。自治体や学校が支援に乗り出す例もあるが、コロナ禍の中で不安を抱えている学生は多い。

「収入が激減し、心も体も疲れてきた」。都内の私立大大学院で国際関係論を学ぶネパール人留学生の女性(23)は胸の内を明かした。

母子家庭で育ち、仕送りには頼れない。月7万円の奨学金では家賃5万円を含む生活費と年間60万円の授業料を賄いきれず、バイト先のインド料理店で得る月8万円の収入で補ってきた。新型コロナの影響でシフトを減らされ、4月からはスーパーの品出しのバイトも始めた。

大学が急きょ設けた支援金の受給が決まり、半期の授業料30万円を納付できたのは5月の期限から1カ月以上たってからだった。「大学を除籍になるんじゃないかと不安でたまらなかった」

日本学生支援機構によると、2019年5月時点で日本で学ぶ留学生は31万人。7割以上がアルバイトに従事し、うち約半数が飲食業や宿泊業で働いていた。これらの業界は新型コロナの影響で大打撃を受けており、あおりで解雇されるなどした留学生も少なくない。

京都大の安里和晃准教授(移民研究)が4~5月に京都・大阪・滋賀で暮らす外国人300人超を対象に行った調査によると、留学生(94人)のバイト収入は新型コロナの影響で平均7割減っていた。安里准教授は「多くの留学生がインバウンド向けの接客業などで働いていた。外国人観光客が激減して深刻な影響が出ている」と話す。

こうしたなか、自治体や学校が独自に支援に乗り出す例も出ている。

兵庫県佐用町は6月、町内の日本語学校に通う留学生全員に1人10万円を支給した。学生証さえあれば申請を受け付け、学生個人の口座に振り込んだ。同町の担当者は「頼れる家族なども身近におらず不安を感じている留学生たちを支えていきたい」と力を込める。

長野県松本市の「丸の内ビジネス専門学校」は5月、地元の企業や個人からの寄付金などを元手に日本語コースなどの留学生90人全員に2万円ずつを支給した。同月以降、寄付された米や野菜、マスクなども毎週配布してきた。

政府は5月、新型コロナの影響で困窮する学生に最大20万円を支給する「学生支援緊急給付金」を創設したが、外国人留学生には「学業成績が優秀」との条件が課された。文部科学省は現時点で、これまでに給付金を受けた留学生の数を明らかにしていない。

留学生政策に詳しい東京工業大の佐藤由利子准教授は「ほとんどの留学生はバイトで収入を得ることを前提に来日しており、バイトができなければ授業料も生活費も捻出できない窮地に陥ってしまう」と指摘。「国内外で活躍する外国人材を育てるには、政府や自治体、産業界が奨学金や授業料免除などで支援していかねばならない」と強調している。

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