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Genky、脱ドラッグ店に勝機 21年6月期純利益27%増

Genkyは日替わり特売をやめ、「毎日安売り」路線を進める(福井市内の店舗)

Genky DrugStoresは27日、2021年6月期の連結純利益が前期比27%増の35億円になる見通しだと発表した。前期から続けてきた価格競争力の向上や総菜などの充実で収益を伸ばす。前期の売上高に占める食料品の割合は62%に達し、ドラッグストアの中でも屈指の水準だ。食品を軸に据える「脱ドラッグストア」戦略で成長を狙う。

同日発表した前期(20年6月期)の売上高は前の期比19%増の1236億円、純利益は2%増の27億円だった。20年1月時点では22%減としていたが増益に転じた。マスクなどの衛生用品や食品など「巣ごもり需要」が好調だったのが大きい。

今期の売上高見通しは前期比17%増の1450億円。「新型コロナウイルスの関連需要は差し引いた」(藤永賢一社長)という。それでも27%の増益を見込むのは、新型コロナの感染前から進めてきた戦略に手応えを感じているからだ。

既存店売上高は感染拡大前の1月から上向いていた。3~6月の各月の既存店売上高は前年同月比17~27%増。北陸に店があるクスリのアオキホールディングス(HD、0.3%~17.2%増)、コスモス薬品(6.8~17.5%増)などに比べて高い。

集客を支えるのは低価格だ。19年に岐阜県に食品加工工場を設け、弁当や総菜を内製している。物流も自前化し、同社が主導してコストを抑制する仕組みを築いている。

5月には特定の商品を日替わりで値引くのをやめ、同じ価格で売り続ける「毎日安売り(エブリデーロープライス)」に切り替えた。チラシなどの広告費、仕入れ先との価格交渉に必要となる営業費用を減らし、その分を価格低下に回す。

ドラッグ店各社は大量出店に加え、医薬品で稼いだ利益で食品を値引きするモデルで成長してきた。ただ、家計支出の比率は、医薬品や化粧品の比率は3割程度で、残りのほとんどは食品が占めている。Genkyは市場規模が大きい食品にシフトする姿勢が鮮明だ。

藤永社長は「食品も薬も短時間で購入できる店舗形態が、新しい生活様式にマッチした」と話した(27日、福井市)

売上高に占める食品の比率は6割を超える。ドラッグ店業界でも高いとされるコスモス薬品の57%、クスリのアオキHDの4割強に比べて高い。藤永社長は「他のドラッグ店より、食品スーパーがライバルだ」と打ち明ける。

今期の出店は過去最大の60店を見込む。「生活必需品がそろうバラエティーストア化を進めてきた。商圏3千人でも出店できる」(藤永社長)とし、人口が少ない地域にも店を広げる。5月には石川県を地盤とするアオキも出店していない能登半島の先端、珠洲市に進出した。

ドラッグ店並みの出店ペースで食品スーパーに近い店作りを目指すGenkyの最大の課題は人材確保だ。低価格による利幅の減少を、大量出店とコスト削減で補う戦略は、出店と運営する人材が欠かせない。思惑通りに進まなければ、利益率を損なう可能性もある。

現在の正社員は1140人ほど。21年春の採用は今年より50人多い350人を見込む。藤永社長は「製造業などで採用が抑え気味になっている。学生の内定受諾率も上がっている」と自信を見せる。市場が飽和したコンビニエンスストアなど小売りの他業種からの人材転移にも期待する。

(鈴木卓郎)

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