金の国際価格、最高値突破 2011年以来9年ぶり
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金の国際価格が過去最高値を更新した。国際指標のニューヨーク金先物は27日の時間外取引で一時1トロイオンス1938ドルまで上昇。2011年9月6日に付けた史上最高値の1トロイオンス1923ドルを約9年ぶりに上回った。新型コロナウイルスの感染再拡大による経済悪化懸念に加え、米中対立深刻化など地政学リスクも加わり、投資家の金買いに弾みが付いた。
NY先物と並ぶ金の国際指標であるロンドンの現物の金の取引価格も27日、一時1トロイオンス1943ドルと、11年に付けた最高値を更新した。金は年初来の上昇率が3割程度に達し、直近で上昇が加速している。
背景には、新型コロナ感染拡大に伴う各国の金融緩和拡大で、世界中で金利がほぼ消失したことがある。米国では物価と比較した金利水準である実質金利が過去最低となり、これを背景にドル安も進行。ドルの代わりに保有される「代替通貨」の性質を持つ金に資金を移す動きが強まった。
緩和によるカネ余りで、短期的な値上がり益を狙う投機マネーも金に流入しやすくなっている。