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頑張りすぎないに共感 キウイ兄弟のCM好感度絶好調

2020年6月度 CM好感度月間ランキング

CM総合研究所が発表する6月度の銘柄別CM好感度ランキングで、ゼスプリインターナショナルジャパン(東京・港)(以下ゼスプリ)のゼスプリキウイのCMが、5月度に続いて2位にランクイン。キウイブラザーズが様々な体にいいことに挑戦するも続けられず、「♪ヘルシーは、好きなことを楽しみながら」と歌い踊るCMが小学生や女性層を中心に支持を広げ、2カ月連続で自己最高スコアを更新した。

ゼスプリインターナショナルジャパンのゼスプリキウイの新CM「好きなことを楽しみながら編」
CM総合研究所調べ

5月4日にオンエアを開始した新CM「好きなことを楽しみながら編」では、「♪体に良いことするのって大事」と歌い出す曲をバックに、キウイブラザーズが様々な体にいいことにチャレンジする。しかしランニングは10分で疲れてしまい、筋トレは運動不足の人にはキツく、険しい山登りでは危険に遭うかも、足つぼマットはやっぱり痛い……と、どれも長続きしない。結局、キウイを食べることが自分たちが楽しんで続けられるヘルシーだ、と気づいたキウイブラザーズ。「♪ヘルシーは、好きなことを楽しみながら」と、バナナ、オレンジ、リンゴのキャラクターと一緒に歌い踊って、最後に「好きなことなら、長続きできるよ」とささやく。

キウイブラザーズが出演するCMシリーズは5年目。今年は異例となる60秒の長尺CMを制作して、当初はその長尺CMのみをオンエア、5月25日以降は15秒CMを中心に展開した。CMの中で現れる「ヘルシーを、やみつきに。」という新スローガンを、分かりやすく伝えるのが狙いだったという。

ジューシーなキウイと共に現れる「ヘルシーを、やみつきに。」というメッセージは今年から始まったゼスプリの新スローガン

「ヘルシーを、やみつきに。」のコピーは、今年からゼスプリが世界共通で訴求することになった「Make your healthy irresistible」という新たなブランドタグラインを訳したもの。「ストイックなイメージがある健康的な生活を、もっと積極的に楽しみたくなるものにしよう」という思いが込められている。CM制作にあたった電通第3CRプランニング局クリエイティブ・ディレクターの北田有一氏は、「この思いはやや哲学的であり、説明するには時間がかかります。そのため、今年のCMは60秒の長尺にしたり、見た人が『自分事化』しやすいようなキウイブラザーズの失敗エピソードを盛り込んだり、分かりやすくなるように工夫しました」と言う。

シリーズが始まった当初からこだわっているのは、コマ撮りのフルアニメーション(24コマ/秒)。1コマ1コマ人形を動かして撮影し、60秒CMだと1440枚の写真をつなぎ合わせて動画を完成させる。今年は撮影に1カ月近くかかった。CMの前半ではキウイブラザーズが失敗を重ねるユーモラスな姿が笑いを誘い、後半は歌って踊り、途中からミュージカルのように滑り出し、バナナ、オレンジ、リンゴのキャラクターが加わると全員の体が宙に浮くという意表を突いた動きが視聴者を驚かせ、最後まで引きつける。この振り付けは、演出の久間敬一郎氏のアイデアだそうだ。

キウイブラザーズが様々な体にいいことにチャレンジするが、ランニング、筋トレ、山登り、足つぼマット、サウナのどれも長続きしない

「これだけ手間のかかることを60秒のCMでやっているのは、ほとんど見たことがないと思います。しかし、このアナログな動きが見ている人たちの心をつかみ、CGでは簡単に表現できない仕上がりを可能にしています。見た人が、何度も見たいと感じたり、歌と動きのシンクロが気持ちいいと感じてたりしてくださるのは、そのへんに秘訣があると考えています」(北田氏)

オリジナルのCMソングは、当初は一生懸命なキウイブラザーズを応援するような楽曲で、昨年のCM「アゲリシャスダンス編」のような元気のよい、テンションが高い曲調だった。だが新型コロナウイルス感染の拡大を受けて、世の中の気分とマッチするように、歌詞やストーリーをポジティブで温かい方向に、曲調もゆったりしたものに軌道修正した。「声高にメッセージを押しつけるのではなく、『自分もそういうところがあるな』と共感していただく方がCMの説得力が増すと考えました」(北田氏)

調査モニターからは、「キャラクターが面白い。歌も歌詞が前向きで好感が持てる」「コロナウイルスで毎日うつうつとしている現代に、このCM曲やキャラクターが出てくるだけで和やかな気分になれます」「足つぼマットに乗るところがすごく笑える。つい見てしまう」「1分ぐらいの長いCMだけど、映るたび最後まで見ています」と、キャラクターへの好感やCMの魅力に触れたコメントが多い。「『好きなことなら長続きできるよ』に共感した」という声も。CM好感要因は「出演者・キャラクター」が最も多く、「かわいらしい」「ユーモラス」「音楽・サウンド」と続く。小学生や女性層を中心に幅広い層から支持を集めた。

 CM総研の関根心太郎代表は、人気の理由を世相との関連で指摘。「コロナ禍が長期化し、様々な不安やストレスを抱えている視聴者にとっては、キウイブラザーズのかわいらしさや、耳に残る優しいCMソングに加え、『ストイックに頑張りすぎなくてもいい』というメッセージが心に響いたのではないでしょうか。またキウイブラザーズはかわいらしいだけではなくリアクションやセリフに人間味があることから、子どもだけではなく、幅広い世代が親近感を抱くことのできるキャラクターです。かわいい見た目と、普通の少年のような内面のギャップも多くの支持を集めた理由かもしれません」

リクエストに応え、CMソングを配信

ゼスプリマーケティング部ブランドマネージャーの水谷かやの氏によると、CMの反響を受けて商品の売り上げも好調。「前年同期比で102.5%(対象期間:4月1日~7月5日)と昨年を上回るペース」だという。

6月19日からは音楽配信サービス各社でCMソング(曲名:好きなことを楽しみながら feat.岩崎愛、歌手:ゼスプリ・キウイブラザーズ)の配信がスタートした。「CM放送開始後、『CMソングを配信してほしい』というリクエストをたくさんいただきました。昨年のアゲリシャスの時は音楽番組とコラボしたり、配信はある程度予想していましたが、今年はかなり驚きました。60秒しかない楽曲にもかかわらず、たくさんの方が再生したり、ダウンロードしたりして聴いてくださっているようで、大変喜んでいます」(北田氏)

ゼスプリ公式YouTubeチャンネルでは、60秒と15秒のCMに加え、歌詞付きの動画、キウイブラザーズの心の声が聞けるウェブ限定CM、歌いたい人に向けたカラオケ動画を配信。耳コピで演奏していた人に向けて、公式ツイッターでは楽譜も公開している。

さらに7月24日からは、森三中の3人を迎えての新聞広告やインスタグラムのARフィルター、ツイッターのカンバセーションカードを使った「ヘルシーは楽しもう」キャンペーンが始まった。「テレビCMのエピローグ的な立ち位置で、メッセージをよりたくさんの人に『自分事化』してもらうことを狙っています」と北田氏。CMを起点に音楽を中心とした多彩なコンテンツが広がり、キウイブラザーズの活躍はまだまだ続きそうだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

■調査対象期間:2020年5月20日~6月19日(東京キー5局)
■当月オンエアCM:全2191銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある

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