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陸上中距離の大器・クレイ 米進学、世界へ飛躍めざす

2020/7/28 3:00
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陸上の東京選手権男子800メートルで優勝したクレイ・アーロン竜波(左)

陸上の東京選手権男子800メートルで優勝したクレイ・アーロン竜波(左)

日本の陸上中距離界を担う大器が新たな一歩を踏み出そうとしている。昨年、高校生にして日本選手権男子800メートルを制したクレイ・アーロン竜波(相洋AC)が今秋、米テキサス農工大に進学する。より高いレベルを求めて海を渡ろうとしている18歳は「楽しみですね」と心躍らせている。

渡米前最後のレースとなった7月25日の東京選手権では潜在能力の高さを示した。日本記録保持者の川元奨(スズキ)らとの勝負になった決勝で1分50秒54の大会新記録。自らレースを引っ張ると、最後の直線でスパートをかけ、誰にも先頭を譲らない。強さを見せつけての優勝に、「タイムよりも順位を狙っていた。気持ちよく終わることができた」とすがすがしかった。

今春卒業した神奈川・相洋高校で頭角を現し、成長曲線を描いてきた。国内にとどまらず、新天地に陸上大国を選んだのはさらなる飛躍を求めて。世界で戦うための決断だった。テキサス農工大は2019年世界選手権で同種目を制したドナバン・ブレージャー(米国)らを輩出した強豪でもある。「チームメートが強くないと成長しないと思う。切磋琢磨(せっさたくま)していくためには800メートルが強い米国に行った方がいいと考えた」

これまでの海外レースの経験も、厳しい環境に身を置く覚悟を決めた理由になっている。800メートルはスピードとスタミナの両立が重要な種目。持ち味はスピードだと自認するが、「海外となるとまだ戦いきれないと自覚している」。思い通りの走りができる国内レースと違い、序盤からハイペースで展開する海外で勝負するには、その水に慣れ、対応できる実力を磨く必要があった。

最近は200メートルから600メートルの間でペースが落ちる課題があり、「自分で引っ張るのは限界があるので高いレベルの選手と競い合いたい」とも。「余裕を持ってラストスパートにつなげられる走り」を理想に掲げる。

クレイ(334番)は延期になった東京五輪も見据える

クレイ(334番)は延期になった東京五輪も見据える

8月に渡米する予定で大学ではビジネスを専攻。新型コロナウイルスの影響で授業は対面とオンラインの「ハイブリッド」で進められるという。「勉強ができなかったらレースに出られない。しっかりやらないといけない」と気を引き締めるが、米国人の父と日本人の母を持ち、英語は日ごろから使い慣れている。言葉の壁がないだけに新たな生活への適応も早そうだ。自粛期間中には陸上の専門用語を英語で覚えるなど「プラスに考えたら、いい時間を過ごせた」と話す。

高校を卒業して米国の大学に進む道は男子100メートルで日本記録を持つサニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)と軌を一にする。「米国に行って大学で活躍している。種目が違うが尊敬しているし、自分も頑張っていけたらいい。見本のような存在です」

見据える先には延期になった東京五輪もある。「今年本気で目指していたが余裕ができた。来年に向けて変わらずやりたい」。世界で800メートルの壁は高いが、将来を嘱望される若者の前には多くの可能性が広がっている。

(渡辺岳史)

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