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米テキサスの中国総領事館閉鎖「知財窃取の一大拠点」

(更新)

【ワシントン=永沢毅】米南部テキサス州ヒューストンにある中国総領事館が24日夕、閉鎖された。米国は報復措置をとらないよう要求したが、中国は対抗措置に動く方針。米中の応酬に歯止めがかかる兆しはない。

米メディアによると、米国が求めた期限である現地時間24日午後4時ごろまでに中国の館員は撤収したもようだ。館員がトラックで荷物を運び出す姿が目撃されたという。その後まもなく米政府当局者とみられる複数の人物が5階建ての建物に入った。

米政府高官によると、総領事館は米国の知的財産を窃取する一大拠点だった。米研究機関にいる中国人のスパイにどんな情報を盗むべきかを具体的に指示。米国の捜査の手から免れたり妨害したりする方法を手ほどきし、情報収集活動を支援していたという。

香港の民主派活動家を批判する活動や、中国の反体制派を本国に強制送還するチームの滞在拠点にもなっていた。米政府高官は「これは氷山の一角だ」と指摘。「受忍できる限度をはるかに超えた。このまま放置すれば、より攻撃的になりかねなかった」と批判した。

中国の蔡偉ヒューストン総領事は24日、米の閉鎖命令は「国際法と国際関係の基本的なルールに違反しており、関係を破壊しようとするものだ」と抗議する書簡を発表した。

米司法省は中国人民解放軍との関係を隠して米国ビザ(査証)を不正に取得したとして、中国人4人を訴追したと23日に公表した。米研究機関から情報を盗んでいた疑いがある。全米の25以上の都市で類似の事例があり、いずれもヒューストンの総領事館の支援を受けていた可能性がある。

ポンペオ国務長官は23日の演説で、中国共産党に強権路線の修正を要求した。異例の措置といえる総領事館閉鎖はその一環で、各国に対中包囲網の構築を呼びかけた。「これは私たちに限った問題ではない。世界中で起きている」(米政府高官)と警鐘を鳴らす。

米中は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて対立を深めた。香港国家安全維持法の施行を受け、米国は態度を硬化させた。米国が制裁に動き、中国が対抗措置をとる報復の連鎖が続いている。

今回もマクナニー米大統領報道官が24日の記者会見で「中国は報復に動くよりも、悪意ある行動をやめるべきだ」と中国をけん制した。ただ、中国は四川省成都市にある米国総領事館の閉鎖を通知した。近く実施に踏み切る公算が大きい。

成都の総領事館はチベット情勢などの情報を集める拠点だった。米メディアによると、成都には200人近い職員がいて、うち150人は地元中国人だという。米政府高官は同総領事館は「チベット自治区を含む中国の人たちを理解し、メッセージを伝えている」と述べ、知財窃取などに関わっていたヒューストンとは異なると反論した。

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