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気象神社(東京・杉並) ゲタの絵馬にお天気願う

ゲタ形の絵馬に天気にちなんだ願いが書き込まれている(東京・杉並)

「結婚式を挙げます。晴天に恵まれますように」「脱・雨女」――。

ゲタをかたどった絵馬に、天気にまつわる様々な願いが書き込まれている。JR高円寺駅(東京・杉並)の南口を出てすぐ。氷川神社の境内の一角に、日本で唯一の「気象神社」がある。

十数年前から気象予報士の合格祈願に足を運ぶ人が増え、インターネットなどでも存在が知られるように。絵馬などが登場する映画「天気の子」が昨年夏に公開されると、聖地巡礼へ週末には1日700~800人が訪れ、参拝の行列ができた。かつて1台のみだった絵馬掛けは、今や8台もある。

「若い人から『なぜゲタの絵馬なんですか?』と尋ねられるんです」と宮司の松井美加子さん(54)。確かにゲタはおろか、靴を「あした天気になーれ」と子どもが蹴り出す光景を見かけなくなって久しい。であれば、と昨年にはゲタ飛ばし大会を開き、盛況だったという。

気象神社は太平洋戦争下の1944(昭和19)年、近くにあった旧陸軍気象部内に造営されたのが始まり。作戦を左右する天気予報が的中するよう祈願した。戦後、国家神道を廃止するGHQ(連合国軍総司令部)の神道指令で撤去されるはずが調査漏れで免れ、先々代の宮司が受け入れを決め48年に遷座された。

祭神は「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)」。晴・曇・雨・雪・雷・風・霜・霧をつかさどるとされる。

本拠地がドーム球場でないプロ野球の横浜DeNAベイスターズなど、年に50ほどの法人団体が祈祷(きとう)に訪れる。祈るのは好天だけではない。エアコン会社なら猛暑、使い捨てカイロの業者なら厳寒、タイヤメーカーなら降雪……。八意思兼命も調整が大変そうだ。

新型コロナウイルスの影響で4~5月の参拝客はまばら。絵馬を求める人もほぼ皆無だった。気象記念日の6月1日に開く「気象祭」も、参加者は氏子総代ら30人ほどと大幅に縮小して行った。

その祭り、例年にない雨に見舞われた。「コロナ禍を神も憂えたのかな」(松井さん)。今年も豪雨災害が起きた。地固まり、落ち着いた日々を過ごしたいというのは皆共通の願いだろう。(板垣孝幸)

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