地域隊員、1年で25%退任 住民・行政との関係に悩み
地方に移住し、活性化に取り組む「地域おこし協力隊」の隊員の25%が着任から1年以内に辞めていたことが、弘前大大学院(青森県弘前市)の平井太郎准教授の調査で分かった。受け入れ自治体の回答を集計した。半数近くは住民や行政との関係で悩みを抱えており「活動前から十分な意思疎通を図るなど、受け入れ態勢の整備が定着の鍵になる」と指摘した。
半年以内に退任した隊員は7%、半年~1年は18%だった。任期は2~3年が多く、1年以内に辞めた人の大半は任期の途中とみられる。
隊員から相談があった悩み(複数回答)は「地域との関係」が46%で最も多かった。「行政との関係」が40%、「収入の少なさ」が25%と続いた。収入に関する悩みは在任期間が長いほど増える傾向にあった。
隊員としての活動を終えた後も地域に定住した人のうち、3~4年後に25%が、7~8年後には43%がその市町村を離れていた。自営業や非正規雇用で生計を立てている人が多く、所得が安定しないため、結婚や子育てを機に地域を離れる人が多いという。
平井准教授は「複数の仕事の掛け持ちなどで所得を安定させることが大切だ」と訴えた。
調査は隊員を受け入れていた都道府県と市町村を対象に実施。昨年8月末までに任期を終えたか、途中で辞めた隊員計4170人分について回答があった。
〔共同〕