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WTO改革「小さなステップ、着実に」 退任のトップ会見

【ジュネーブ=細川倫太郎】世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長は23日、8月末の退任を前に記者会見を開いた。懸案のWTO改革について「正しい方向へ小さなステップを着実に踏んでいくことが必要だ」と述べた。新トップは機能マヒに陥った貿易紛争解決の立て直しなど多くの難題が待ち受ける。

退任会見にのぞむアゼベド事務局長(23日、スイス・ジュネーブのWTO本部)

WTOは保護主義の台頭などを背景に、多国間貿易体制の発展に向けた任務を果たせなくなっている。加盟国は改革の議論を重ねているが、大きな進展はない。アゼベド氏は改革の中身も大事だが、「どのようにして改革するのかが最も重要だ」と述べ、具体的な成果を出すための方法論を話し合う必要があるとの認識を示した。

通商交渉などについては「全加盟国が参加する必要はない」と語った。例えば、電子商取引(EC)分野は日本など一部の国のみで議論を進めている。アゼベド氏は多国間交渉を放棄してもよいという意味ではないと前置きしつつ、まずは有志国のみでルールづくりを進めることを支持した。

8人が立候補している次期事務局長へのアドバイスを問われると、「何事にも備えておくこと」と答えた。政治状況や自然災害などで物事は一変するとし、変化に迅速かつ効率的に対応できる組織づくりを求めた。喫緊の課題として紛争処理機能の立て直しや、米中対立をはじめとする貿易の緊張の緩和を挙げた。

自身の今後については、具体的には明かさなかったが、「追求したいプロジェクトがある」と述べた。次の仕事場はWTO本部があるジュネーブ、もしくは出身地であるブラジルではないだろうとも説明した。

アゼベド氏は2013年に事務局長に就任した。15年のナイロビの閣僚会合で農産物の輸出補助金の撤廃で合意したことなどを振り返り、「これまで達成してきたことに満足している」と話した。任期を1年残して辞任することについては「後悔していない」と言い切った。WTOは次期事務局長を11月までに選出することを目指している。

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