1~6月の国内粗鋼生産、高炉の休止で前年比17%減

2020/7/22 19:03
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日本鉄鋼連盟(鉄連)は22日、1~6月の国内粗鋼生産量が前年同期比17.4%減の4220万9千トンだったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞が大きく響いた。4月以降は日本製鉄など鉄鋼大手が高炉を相次ぎ一時休止しており、下落幅はリーマン・ショックの影響を受けた2009年7~12月期以来の2ケタ減少となった。

高炉の一時休止で粗鋼生産量が落ち込んだ

前年同期比で10%以上減るのは09年7~12月期(10.6%減)以来となる。コロナで自動車メーカーの工場停止や建設業の工事中断が相次ぎ、鋼材需要が激減。これを受け、鉄鋼大手は減産を相次いで打ち出した。

日本製鉄は4月に東日本製鉄所鹿島地区(茨城県鹿嶋市)と関西製鉄所和歌山地区(和歌山市)、さらに5月には東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)で高炉を1基ずつ一時休止した。

JFEスチールも西日本製鉄所の倉敷地区(岡山県倉敷市)で、改修工事の前倒しにより高炉1基の稼働を止めた。6月末までに福山地区(広島県福山市)の高炉1基も一時休止している。

コロナ感染者が多くの国で増えている一方で、経済活動の再開も少しずつ進んでいる。トヨタ自動車は中国や東南アジアなどの工場で生産を再開し、電機や機械といった他の産業でも生産は回復に向かいつつある。

JFEホールディングスの柿木厚司社長は今後について「6月が底とみており、第2波の状況にもよるが、一定量を生産しながらコロナ禍と共存する形になりそうだ」と語る。経済産業省金属課の担当者は「7~9月期が底になるか、今は判断できない。新型コロナの収束のめどを注視していきたい」と話している。

6月単月の粗鋼生産量は前年比36.3%減の559万8千トンだった。5月に続き、2カ月連続で前年を3割以上も下回った。7月以降も日鉄が室蘭製鉄所(北海道室蘭市)などで高炉の一時休止に踏み切っている。

コロナの影響が薄れつつある中国の製鉄会社は増産を続けており、世界の鉄鋼業界は「中国1強」の様相がますます強まっている。日本の鉄鋼大手は今後も厳しい状況に耐え続ける必要がありそうだ。

(湯前宗太郎)

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