レオパレス、株主総会は「無風」も問われる実行力

2020/7/22 15:12
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経営再建中のレオパレス21は22日、都内で株主総会を開いた。賃貸アパートの施工不良を受け、3期連続の最終赤字見通しと業績は低迷。改修工事や入居率の改善、資本計画の作成が急務になっている。宮尾文也社長は「心配をかけ、深くおわびする」と株主に陳謝した。会社提案は予定通り可決されて「無風」だったが、改革の実行力が一段と問われている。

出席者は新型コロナウイルスの影響で88人と昨年の378人から大きく減った。株主からは17の質問が出て、昨年より約50分短い2時間6分で終わった。社外取締役の比率を高めた9人の取締役選任など3つの議案は賛成多数で可決された。

総会では一部のオーナーから、改修工事の遅さなどを批判する質問があった。このほか財務改善に向けた増資などの必要性を問う意見もあり、宮尾社長は「自己資本比率は非常に危機的な状況。財務基盤の強化や資金調達を色々検討している」と回答した。国内運用会社のアルデシアインベストメントや旧村上ファンド系のファンドから提案や質問は出なかった。

レオパレスを巡っては2018年春から施工不良が次々に発覚した。入居率は下落を続け、コロナも重荷となっている。6月の入居率は79%で、損益分岐点の80%をやや下回る水準で推移している。

21年3月期の連結最終損益は80億円の赤字(前期は802億円の赤字)になる見通しだ。業績の立て直しに向けて構造改革を進める。7月末にかけて約1千人の希望退職を募るほか、名古屋などのホテルを売却する方針。足元では収益を底上げするため、新規契約者を対象にアパートの家賃引き上げも始めている。

これに加え21年4月入社の新卒採用は中止を決めた。20年4月に続き20人程度の採用を予定していたが、経営の立て直しを優先する。新卒採用の見送りはリーマン・ショック後の11年4月入社以来、10年ぶりとなる。

今後の注目点は資本増強だ。20年3月期末の連結自己資本比率は0.7%に下がり、4~6月期の連結決算は債務超過に転落する可能性も指摘される。現預金は3月末で605億円あるが、資本安定のため増資に応じるスポンサー探しは欠かせない。事業拡大に向けた提携も検討していく。

宮尾社長は総会で「アパート運営を安定的に回復させることが使命だ」と強調した。人手不足もあり、明らかに不備のあった物件の改修工事は1割弱しか終わっていない。夏以降に入居率を回復させる道筋は実現できるのか。自力再建を模索するレオパレスにとって、これまで以上に実行力が問われる1年となる。

(原欣宏)

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