NYダウ続伸、159ドル高 銀行など景気敏感株が上昇
【NQNニューヨーク=岩本貴子】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。前日比159ドル53セント(0.6%)高の2万6840ドル40セントで終えた。欧州連合(EU)の首脳会議が21日、新型コロナウイルスに関する復興基金案で合意した。欧州の景気の持ち直しにつながるとの見方が投資家心理を改善させた。銀行や石油など業績が景気変動の影響を受けやすい景気敏感株が買われた。一方、高値警戒感が根強いハイテク株には売りが出て、取引終了にかけては上げ幅を縮めた。

EU首脳は新型コロナで打撃を受けた経済を立て直すため7500億ユーロの復興基金案で合意した。欧州の景気の一段の下振れが避けられるとの見方から欧州株式市場で買いが優勢となり、米株市場にも波及した。ダウ平均の上げ幅は300ドルを超える場面があった。
米シカゴ連邦準備銀行が21日発表した6月の全米活動指数が前月から上昇し、2カ月連続でプラス圏となった。米経済がゆるやかながら回復基調が続いているとの見方を誘った。
シェブロンやエクソンモービルといった石油株、JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴなど金融株が買われた。21日朝に世界の販売数量の前年同月比の落ち込み幅が足元で縮小していることを明らかにした飲料のコカ・コーラも上昇した。一方、スマートフォンのアップルや半導体のインテルは下落した。20日夕に発表した2020年4~6月期決算を受け買いが先行したIBMも下落で終えた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比86.73ポイント(0.8%)安の1万0680.36で終えた。前日に過去最高値を更新したこともあり、大型ハイテク株中心に利益確定売りが出た。有料会員向けの特売イベント「プライム・デー」を今年は延期する方針を示したネット通販のアマゾン・ドット・コムやSNS(交流サイト)のフェイスブックなどが下げた。半導体のエヌビディアも安い。
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