/

セシルマクビー撤退 平成アパレル、コロナで幕

女性向けアパレルのジャパンイマジネーション(東京・渋谷)は20日、10~20代向けブランド「セシルマクビー」の店舗事業から撤退すると正式に発表した。1990年代に若者を中心に支持を広げたが、ファストファッションの台頭で販売が低迷したところに、新型コロナウイルスが追い打ちをかけた。「ギャル系」として一世を風靡したセシルマクビーの撤退は、平成アパレルの終わりを象徴する。

「私の時代が終わった」――。

20日、セシルマクビーの撤退が報じられると、ツイッターなどで、その衝撃が瞬く間に広がった。特にセシルマクビーの絶頂期に青春時代を過ごした30~40代にとっては、胸にこみ上げる思いがあったようだ。

「セシルマクビー」は全43店を閉鎖する

セシルマクビーは当初、女性誌「JJ」に代表されるようなOLスタイルのブランドだった。その後、背中を見せたりする「セクシーカジュアル」な路線にシフトし、10~20代の支持を獲得。若者文化の発信地「渋谷109」の店舗には多くの若者が押し寄せ、2006年のピーク時に同店は月1億円の売上高をあげた。

セシルマクビーが代表するギャル系ファッションは「kawaii(かわいい)」と呼ばれ、海外にもブームが波及。客数の2割を訪日外国人が占める店もあった。

だがH&Mやフォーエバー21などが日本に上陸すると、ブームにも陰りが見え始める。世界のトレンドを読みながら、大量の衣料品を低価格で生産販売する手法が若者の心をつかみ、セシルマクビーは次第に顧客を失っていった。ファッション性で勝負しようにも、「とがったファッションはもはや若年層に受け入れられなくなった」(アパレル関係者)。

脱ギャル系など模索を続けてきたが、ブームが過ぎたブランドが再び輝きを取り戻すことはできなかった。

若者向けファッションは1970年代に渋谷パルコやラフォーレ原宿がリード。デザイナーズブランドの熱狂的なブームが生まれ、その後セシルマクビーを中心とする平成アパレルブームにつながった。

だが、新型コロナ時代は一人ひとりがより好きな服を選ぶようになり、今までのブームを生むのが難しくなる。ジャパンイマジネーションの木村達央会長兼社長は「時代が求めなくなった」と語る。消費の冷え込みで若者がトレンドを求めなくなり、木村社長は「ユニクロのようなベーシックなファッションだけが残る」とみる。

セシルマクビーの店舗は21年2月までに全43店が閉店する予定だ。他のブランドの撤退も進め、ジャパンイマジネーションが展開する店舗は、全体の9割に当たる92店舗が閉店となる。今後は約10ブランドのうち、残る4ブランドのネット通販を強化し、従業員570人については大半を解雇し、再就職を支援する。

セシルマクビーの撤退まで残り半年余り。平成アパレルを彩ったブランドが、コロナ禍に幕を閉じようとしている。

(淡海美帆、栗本優)

新型肺炎

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

新型コロナ

新型コロナウイルスによる肺炎が中国から世界に拡大しています。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン