軽症者施設、23都府県で不足 コロナ第2波推計

2020/7/21 23:00 (2020/7/22 5:43更新)
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新型コロナウイルスの軽症者などを収容するために東京都が確保したホテル客室(4月、東京都内)

新型コロナウイルスの軽症者などを収容するために東京都が確保したホテル客室(4月、東京都内)

新型コロナウイルスの軽症者などを収容する宿泊療養施設の確保室数と、国が「第2波」で見込む軽症・無症状者の推計数を比べると、23都府県で室数が不足していることが分かった。東京都では施設不足のため軽症者が病院の病床を圧迫する事態も起きている。検査能力も海外より依然低く、体制整備が求められる。

感染の第2波が広がった場合、年齢層別の感染率などを基にした厚生労働省の標準的な推計モデルでは、入院の対象にならない軽症・無症状者が約1万2千人出ると見込まれている。

都道府県ごとに、今月15日時点で確保しているホテルなどの宿泊療養施設の室数と比較したところ、23都府県で確保室数の方が少なかった。沖縄県は一室も確保していなかった。東京や秋田、新潟などは必要数の4分の1以下だった。

現在ホテルで療養している人は全国で500人ほど。主に首都圏や近畿圏が中心で、それ以外の地域では0人という県が多い。ただ感染者が急拡大した場合、必要な施設をすぐには用意できない可能性がある。

実際に東京都では5月には最大約1150人分を借り上げていたが、その後に契約期間の満了時期と感染の再拡大が重なり、連日200人超の感染者が出た7月中旬には一時約100人分しかない事態に陥った。

入院しないはずだった軽症者を入院させざるを得なくなり、病床の圧迫につながっている。行き先を把握しきれず「調整中」扱いの人も約500人出ている。都内では21日も237人の新規感染を確認した。都は2千室を確保する方向でホテル事業者らとの交渉を急いでいる。

大阪府でも今月1日に9人だった宿泊施設療養者が20日には130人に急増した。府は解約予定だったホテルを引き続き利用して約700室を確保している。茨城県は東京との人の往来を警戒し、第1波後にいったん減らした宿泊施設を再び積み増す準備を進める。

国は家庭内感染の防止や容体急変時の対応の面から、施設が十分確保できている地域では宿泊療養を基本とするよう求めている。感染の一時的増減にかかわらず一定の室数を確保しておくことが重要になる。

軽症者向けだけでなく、集中治療室(ICU)など重症者向け病床も十分とは言いがたい。厚労省の標準的な推計では、第2波の重症者数は全国で約3500人が見込まれるのに対し、現状で確保見込みの重症者向け病床は約3800床。都道府県別では26道府県で不足の恐れがある。

乖離(かいり)が最も大きいのは静岡県で、必要数の5分の1ほどにとどまる。埼玉や広島、兵庫なども確保数が推計重症者数の半分以下だ。ICUの増設も、各地でほとんど進んでいないとみられる。

重症者は東京都で20日時点で13人と、4月末のピークの105人より大幅に少ない。全国でも計数十人程度にとどまっているもようだ。だが感染が高齢層に拡大すれば医療現場は急速に逼迫する。効率的に患者に対処できる「コロナ専門病院」を各地で整備するほか、地域間の連携方法を事前に定めておくなど、一段の体制充実が引き続き急務だ。

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