北朝鮮指導部、米大統領選を見極め 制裁解除へ思惑

北朝鮮
2020/7/21 18:00
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【ソウル=恩地洋介】北朝鮮指導部は米国との非核化交渉に関し、11月の米大統領選の情勢を見極める姿勢を示している。金正恩(キム・ジョンウン)委員長に好意を示すトランプ大統領の再選を望みつつ、経済制裁の解除は表向き棚上げにして対話継続を探る方針とみられる。

病院の建設現場で責任者を叱責した金正恩氏。20日に報じられた=朝鮮中央通信・共同

朝鮮労働党第1副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏が10日に公表した談話は、トランプ氏との会談で局面転換をはかりたい指導部の期待を映している。

金与正氏は「米国の決定的な立場の変化が無い限り、年内の朝米首脳会談は不要」と、米国に譲歩を迫る立場を唱えた。一方で「両首脳の判断によって、どのようなことが起こるかは誰も分からない」と言及し、トランプ氏の成功を願う金正恩氏の発言まで紹介した。

非核化で妥協できないとも開き直った。「我々はトランプ大統領と、それ以降の米政権を相手にしなければならない」と主張。敵視政策が続くであろう次期政権をにらめば、核武装を解くことはできないという理屈だ。

米朝協議を再開する条件には敵視政策の撤回を挙げた。本音は経済制裁の早期解除だが、一度失敗しており、トランプ氏が受け入れやすいカードを入り口に段階的な取引へ導く狙いとみられる。

挑発カードは握ったままだ。19日の朝鮮中央通信によると、金正恩氏は前日の党中央軍事委員会の会議で「戦争抑止力の強化」を議論し軍事生産計画を承認した。核・ミサイル実験を再開する意思表示とみられる。

翌20日には平壌総合病院の建設現場を視察し、責任者を叱責したうえで交代を命じたと報じられた。資材不足にあえぐなか、求心力の維持に苦心する様子がうかがえる。

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