アリババ系金融会社、香港と上海で重複上場へ
企業価値16兆円規模との見方

2020/7/20 19:21 (2020/7/21 5:28更新)
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スマホ決済の支付宝(アリペイ)のユーザー数は世界で12億人を超えている

スマホ決済の支付宝(アリペイ)のユーザー数は世界で12億人を超えている

【上海=松田直樹】中国ネット大手、アリババ集団傘下の金融会社アント・グループは20日、新規株式公開(IPO)を計画していると発表した。上場先は香港取引所と上海のハイテク企業向け市場「科創板」の重複上場となる。英フィナンシャル・タイムズなどによると企業価値は1500億ドル(16兆円)規模とみられる。

アントはスマートフォン決済「支付宝(アリペイ)」や、個人の信用評価システム「芝麻信用」などを運用するアリババグループの中核の金融会社。アリペイのユーザー数は世界で12億人を超えている。

アリペイはスマホ上のQRコードをかざすだけの簡単さから、小売店などで導入が進んだ。タイなどの東南アジアを中心に世界各国で展開する。井賢棟董事長は「アリペイは中国最大のスマホ決済のプラットフォームとなった。上場により世界でサービスをさらに拡大する」と表明した。

アントはアリババが33%、創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が8.8%出資する。アント上場がアリババの企業価値を高め、アリババ株の約25%を持つソフトバンクグループ(SBG)の財務にプラスとなる可能性もある。

米中対立が激化するなか、有力な中国企業を本土に呼び戻そうとの動きは広がっている。

「中国版ナスダック」ともいわれる科創板は習近平(シー・ジンピン)氏の肝煎りで2019年に上海証券取引所に開設された。上場までに必要な日数や手続き、基準を大幅に緩和している。

16日に科創板に上場した半導体受託生産で中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)は、上場表明から、2カ月あまりで株式公開した。アントも早ければ今秋にも上場する可能性がある。

また中国メディアは20日、中国配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディ)が香港取引所への上場を検討していると報じた。企業価値は800億ドルに上るとの見方もあり、早ければ年内にも上場する見通しだという。滴滴にはSBGも出資している。

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