三洋化成の次世代電池、川重の海中点検用の潜水機に

2020/7/20 19:18
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全樹脂電池が搭載された無人潜水機

全樹脂電池が搭載された無人潜水機

三洋化成工業と子会社のAPB(東京・千代田)は20日、次世代型電池「全樹脂電池」を川崎重工業の自律型無人潜水機(AUV)に搭載し実証実験を始めたと発表した。2021年度中の販売を目指す。従来のリチウムイオン電池に比べて安全性が高く、製造コストも圧縮できる。ビルなどの定置用蓄電池の用途を狙うが、将来は海洋ロボットの駆動用電池として運用できる可能性もあるという。

三洋化成の全樹脂電池としては初の実用例となる。AUVは石油パイプラインなど海中設備の点検などに使う。従来型のリチウムイオン電池に比べてエネルギー効率が高く、航行時間は約8時間から約16時間に倍増。効率的な航行が可能になる。

海中で作業するため、搭載する電池は高い水圧にさらされる。全樹脂電池の場合、水深3000メートル以上でも耐えられるのが強みだ。

全樹脂電池は製造過程が簡略化できるため、量産時には従来のリチウムイオン電池と比較して製造コストを9割ほど削減できるという。三洋化成とAPBは福井県に工場を新設し、21年度秋ごろに量産体制を敷く。5~10年後をめどに数千億円規模の事業に育てる。

APBは6月までに豊田通商やJXTGホールディングス(現ENEOSホールディングス)など国内8社から約90億円を調達した。日産自動車と三洋化成から全樹脂電池技術のライセンス供与を受けて、開発を加速している。

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