転職市場活況、求職者が増加
個人も企業もテレワークシフト
転職市場にも働き方のニューノーマル(新常態)を目指す動きが表れてきた。パーソルキャリア(東京・千代田)が20日発表した6月の転職動向によると、転職希望者数は前月比22.3%増え、2014年4月の集計定義変更後の最高となった。先行き不安だけでなく新たな働き方を求める動きが広がっている。求人企業もテレワークを支える人材の確保を急ぐ。
同社の転職サービス「doda(デューダ)」に登録する求人数を転職希望者で割った中途採用の求人倍率は前月比0.37ポイント低い1.66倍だった。求人数は前月比0.2%増えたが、前年同月比では27.5%減と低迷している。転職希望者は前年同月でも2.6%増え、倍率を押し下げた。

テレワークが可能な仕事への転職希望が多いという。喜多恭子doda編集長は「リーマン危機時に比べ転職希望者の増加は緩やか。ただ働き方を変えたいという動きは新しい」と話す。在宅勤務の普及を目の当たりにし、柔軟な働き方を求める人が増えている。
エン・ジャパンの転職サイト「エン転職」では4月以降、「テレワーク」の検索数が19年比2倍に増加。「週休2日」に次ぐ2位に上昇した。
求人企業にもオフィスなどのコストを削減できるほか、居住地を問わず優秀な人材を確保できるメリットがある。実際、東京のIT企業に内定したWeb系エンジニアは北海道在住。完全テレワークで就業するという。
企業は体制構築も急いでいる。パーソルキャリアによると、ITインフラの整備に関係する「IT・通信」の求人が前月比1.2%増、「電気・機械」も同0.1%増加。業種別では「金融」が同20.4%増えた。
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