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電子証明書ない「電子署名」も有効 政府見解、事前登録不要に

政府は電子署名に関する見解を公表し、電子的な印鑑証明にあたる電子証明書のない電子署名も法的に有効だと認めた。すでに主にクラウド技術を活用した企業間の契約で一般的に使われている。電子署名法の解釈上認められているかが曖昧で、企業の間で利用拡大に向けて懸念があった。

電子証明書はその電子署名が本人名義であることを証明するもの。事前の登録が必要で発行に数週間かかるため、迅速な手続きに不向きだった。

2001年施行の電子署名法は利用者本人が自らの名義で署名する形式を想定しており、電子証明書の発行を求める電子署名事業者が多かった。

現在は当事者同士の合意が成立したことを、当事者ではなく第三者が電子署名をして証明するサービスが進む。「立会人型」と呼ばれる形式でクラウドとの親和性が高く、企業間で主流の手続きとなりつつある。

法的有効性が明確でなかったため、一般の押印・署名や当事者であることを示す電子証明書を伴う電子署名を使った文書と比べ、民事訴訟などで証拠として劣るのではないかとの見方があった。

企業側も行政機関との契約での利用を避けてきた。行政機関の入札などでの電子署名の活用が見込まれ、行政手続きのオンライン化にもつながる。

電子署名法は「当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること」と定める。契約書などの作成者と電子署名した人が同一人物であるよう求めていた。

政府は新たに公表した見解で「必ずしも物理的に措置を自ら行う必要はなく、利用者の意思に基づいていることが明らかなら要件を満たす」との解釈を示した。

法務省、総務省、経済産業省が電子署名法の条文解釈をまとめた文書をホームページで公表した。立会人型の電子署名を使った文書を「本人の意思が確認できるため訴訟時に証拠となり得る」とする解釈も近く示すとみられる。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、電子署名の利用は広がる。調査などを手がけるアイ・ティ・アール(東京・新宿)の三浦竜樹シニア・アナリストは立会人型の普及に関し「電子署名を利用する企業の7~8割が使っている」と分析する。

国内で弁護士ドットコムや米ドキュサインなどがサービスを提供する。政府は時代の変化に対応した明確な法解釈を公表し、民間の懸念を払拭して手続きのオンライン化を促す。

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