3カ月間の値上がり銘柄は(投信ランキング)
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で世界景気の減速懸念が強まり、2020年前半の金融市場は大きく動揺したが、経済活動の再開などを受けて買い戻しが入り、国内外の株式市場などでは感染拡大前の相場水準まで戻りつつある。
国内公募追加型株式投資信託(ETFとブル・ベア型を除く)を対象に、マーケットが大幅下落した3月の月末時点から3カ月間の騰落率(分配金再投資ベース)をランキングした。

ランキング首位は「厳選ジャパン」で3カ月騰落率は65.37%。2位の「DIAM新興市場日本株ファンド」が60.08%、3位の「米国エネルギーMLPオープン(毎月決算型)為替ヘッジあり<愛称:エネルギー・ラッシュ>」が59.84%となった。
ランキング1位の「厳選ジャパン」は、日本の上場株式で高い利益成長が期待できる20銘柄程度に厳選投資するファンドで、SBI証券が限定販売。2位の「DIAM新興市場日本株ファンド」は主に日本の新興市場に上場している中小型株に投資するファンド。両ファンドともアセットマネジメントOneの同じチームが運用を手掛けているファンドで、徹底した個別企業の調査・分析に基づく銘柄選定で利益を上げた。
3位の「エネルギー・ラッシュ」は、MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ:エネルギー事業を主な収益源とする共同投資事業形態)を主要投資対象としたファンド。コロナショックによる各国の経済活動停滞で世界の原油需要が急減し、4月にはWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格が史上初めて「マイナス」となった。MLPなどのエネルギー関連ファンドの基準価格も大幅に下落したが、その後、経済活動の正常化が進展し原油価格が値上がりしたことでMLPも大きく値を戻した。
(QUICK資産運用研究所 木下敏秀)