その出品、違法かも フリマアプリで摘発相次ぐ

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コラム(社会・くらし)
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2020/7/26 2:00
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無届けで販売されていた肥料など=共同

無届けで販売されていた肥料など=共同

フリマアプリなどを通じたインターネット上の個人取引が増える中、日用品の売買を巡る摘発例が目立ってきた。売り方や商品によって法規制があり、警察などが監視の目を強めている。専門家は「ルールの周知も必要だ」と指摘している。

警視庁は5月、ファッションブランド「コム・デ・ギャルソン」の古着3点を仕入れてネットオークションなどで転売したとして、20代の男を古物営業法違反(無許可営業)容疑で書類送検した。服の売買自体は違法ではない。ただ、男の売り方には問題があった。

男はこのブランドを展開する会社の社員で服の相場に詳しく、高く売れる古着をフリマアプリや実店舗で仕入れ、ネット上での転売を繰り返していた。約3年間に約450点の古着を転売し、200万円を超える利益を得たとみられる。

古物営業法は主に盗品の売買防止が目的だ。中古品の売買などを「営業」する場合は都道府県公安委員会の許可が必要で、無許可営業は3年以下の懲役などの罰則がある。警視庁は男の売買回数や利益額などから「営業」にあたると判断。男は「ばれなければ大丈夫だと思った」と供述した。

肥料取締法という聞き慣れない法律の適用例もあった。肥料の品質を保つため、同法は販売業者に都道府県知事への届け出を義務付け、違反した場合の罰則は1年以下の懲役などと定める。だが千葉や福岡など6県の男女7人はフリマアプリなどを通じて無届けで肥料を売った疑いがあり、警視庁が6月に同法違反容疑で書類送検した。

7人はそれぞれ余った園芸用の肥料や、自宅の薪(まき)ストーブで出た「草木灰」を小分けにして販売したとされ、いずれも「違法とは知らなかった」と説明した。

経済産業省の調査によると、ネット上の個人間取引の市場規模(2018年推計)はフリマアプリが6392億円、ネットオークションが1兆133億円だった。近年はフリマアプリの伸びが大きく、16年(3052億円)から倍増した。

摘発例はこれまで、医薬品や偽ブランド品の違法売買など悪質な事案が目立った。警察幹部は「利用者が知らずに違反した場合でも、思わぬ大きな被害を招く恐れがある。積極的に摘発する意義はある」と強調する。

酒類の売買に対しては国税当局が監視を強めている。酒類は不用品を1回出品するのは問題ないが、継続的に売るには酒税法に基づき税務署長の免許が必要。違反すると1年以下の懲役などが科される恐れがある。国税庁酒税課の担当者は「頻度や量によっては違法になり、取引には常に目を光らせている」と話す。

フリマアプリの運営会社などはこうした商品について利用者向けのガイドラインに記載し注意を呼びかけているが、規制への認識が不十分な利用者も少なくないとみられる。転売禁止などの記載があるチケットや、新型コロナウイルスの影響で品切れが続いたマスクなど、新たに規制がかかるケースも出ている。

転売問題に詳しい福井健策弁護士は「インターネットを通じて誰もが手軽にモノを売れる時代が到来したが、ルールの周知が追いついていない。どのような出品がなぜ規制されているのか、取引サイトの運営者や警察などは丁寧に説明すべきだ。利用者も注意を払う必要がある」と指摘した。

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