G20、途上国の債務猶予「延長を検討」 20年末期限

20カ国・地域(G20)は18日、財務相・中央銀行総裁会議を開き、共同声明をまとめた。発展途上国の債務返済の猶予措置について、2020年末までとなっている期限の「延長の可能性を検討する」とした。途上国が新型コロナウイルス対策で財政出動しやすくする。

会議はテレビ電話で実施した。日本からは麻生太郎副総理・財務相と日銀の黒田東彦総裁が参加した。
途上国の債務返済猶予は債務危機を回避するのが狙いだ。新型コロナの感染は拡大の一途をたどっており、長期化する懸念がある。途上国が債務返済を迫られて感染拡大に十分な対策を打てなくなるリスクを回避する。返済猶予を要請した国は18日時点で42カ国に増えた。猶予される20年の債務支払額は53億ドル(約5700億円)にのぼる。
返済猶予にあたっては融資額や条件などを各国が情報共有するよう求めており、麻生財務相は会議で「透明性が大前提だ」と述べた。途上国への融資は中国が最も多いとみられており、各国で足並みの乱れが出ないよう相互に監視する仕組みを作る。
会議の重要課題だったデジタル課税については10月の次回会合で制度見直しの青写真を示すことを確認した。年末までに国際的な解決策をまとめるという予定は維持したものの、各国の足並みはそろわず遅れる可能性がある。
世界経済の先行きについては、各国の政策効果によって「今後回復が見込まれる」とした。不確実性は高く「全ての利用可能な政策手段を引き続き用いる」方針を示した。
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