「好き」は無敵 脚本家 木皿泉
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テレビでやっていたヤクザ映画「緋牡丹博徒(ひぼたんばくと)」のラストシーンにしびれた。高倉健が、藤純子(富司純子)扮(ふん)するお竜の代わりに舎弟を刺し、その恨みをはらす。返り討ちにあって虫の息の健さんを抱くお竜が「私のために」と涙で言葉を詰まらせると、健さんが「いや、俺のためだ」と言ってこと切れる。この「俺のためだ」がとてもいいのだ。
ドラマを観(み)てない人に、何だよそれと言われそうだが、ここ...
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