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代替大会、木製バットの球児も プロ見据え特大の一発

木製バットで打席に立つ龍谷大平安の奥村(12日)

新型コロナウイルスの影響で今夏の全国高校野球選手権大会と49の代表校を決める地方大会が中止となった。これを受けて開催が決まった各都道府県の代替大会が関西でも京都府で11日に開幕、他の5府県は18日に始まる。京都大会ではプロのスカウトへのアピールのため木製バットで挑み、本塁打を放った球児もいた。例年とは趣の異なる熱戦が繰り広げられている。

12日、京都府宇治市で高校野球の名門、龍谷大平安の初戦(対京都工学院)が行われた。4番に座った奥村真大三塁手は木製バットを手に打席へ。プロ注目との前評判通り、5回の第3打席で左翼席に特大の2ランをたたき込んだ。

大会を勝ち抜いた先に甲子園がないとはいえ、3年生にとっては集大成の舞台だ。チームメートから金属バットを使ってほしいと頼まれたという。それでも「自分には上(プロ野球)で活躍したいという夢がある」。木製バットでチームを引っ張ると仲間に誓って大会に挑み、有言実行の一発でチームを初戦勝利に導いた。原田英彦監督は「大会直前の試合で木製バットで結果を出したので、みんなも納得したようだ。木での打ち方をだいぶつかんできたみたいだね」と、将来を見据える教え子の成長に目を細めた。

通常は大会途中で変更できない20人のベンチ入りメンバーを、京都府高野連は今大会に限り試合ごとに自由に入れ替えることができるようにした。この特例ルールで、強豪の京都成章は例年とは違う価値観で大会に臨むことにした。

出場は3年生部員31人だけで、背番号1~16の16人はメンバーを固定。17~20の4人は試合ごとにメンバーを入れ替えるという。佐野裕明部長は「3回勝ち抜いて4試合できれば3年生全員がベンチ入りできる。それが今大会のウチの目標」と話し、12日の初戦(対東宇治)を突破してナインは安堵の表情を浮かべた。「目指せ甲子園」という高校野球の大前提が存在しない舞台にもそれぞれの目標があり、個々の球児が特別な思いを抱く。この大会もまた意義深いものがあると感じさせた。

もっとも、関係者を除き無観客での開催には課題もある。大阪府高野連によると例年の夏の地方予選の大会運営費は数千万円で、大半を入場料収入で捻出している。今夏は日本高野連からの財政支援があるものの、伊原登理事長は「全額は補えず、基金を取り崩して対応する。この先も無観客が続けば運営は正直、厳しくなる」と明かす。コロナとの共生の時代に持続可能な高校野球のあり方を探る、関係者の苦悩は続く。

(田村城)

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