米J&J、コロナワクチン開発前倒し 日本でも治験計画

2020/7/17 1:53 (2020/7/17 7:23更新)
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J&Jは9月にも最終段階の治験を始めると発表した=ロイター

J&Jは9月にも最終段階の治験を始めると発表した=ロイター

【ニューヨーク=西邨紘子】米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は16日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの最終段階の臨床試験(治験)を早ければ9月に前倒しすると発表した。当初は2021年前半と想定していた。

9月ごろに初期の治験開始を見込んでいた従来の計画も早め、ベルギーでは来週にも、米国ではその後に治験に入る。時期は未定だが、日本でも治験を計画していると明らかにした。初期の治験は健康な参加者約1000人を対象に有効性や安全性などを調べる。

J&Jはワクチン開発と並行して量産の準備も進めており、実用化できれば21年内に10億本の供給を見込む。ロイター通信によると、同社は米国を優先してワクチンを割り当てることで合意しており、日本政府や欧州連合(EU)、米ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団とも配分について協議している。同財団はワクチンを途上国向けに供給する方針という。

新型コロナのワクチン開発は世界で加速している。米バイオ医薬ベンチャーのモデルナは7月中に3万人が参加する最終段階の治験に進む。英オックスフォード大と英製薬大手アストラゼネカも、近く初期の治験結果を公表する見通し。中国も早期の実用化を目指し、複数のワクチン開発を進めている。

ワクチンは各国で争奪戦となっている。米政府は米生物医学先端研究開発局(BARDA)を通じて欧州製薬会社などに資金提供し、ワクチンの優先供給を受ける契約を結ぶ。日本は英独仏などと共同でワクチンを買い付ける枠組みを検討している。先進国が資金を出し合い、途上国向けワクチンを確保する動きもある。

J&Jが同日発表した20年4~6月期決算は純利益が前年同期比35%減の36億2600万ドル(約3900億円)。特殊要因を除いた1株利益は1.67ドルで、市場の予想(1.49ドル)を上回った。

売上高は11%減の183億3600万ドルだった。新型コロナの流行に伴い優先度の低い手術が先延ばしとなり、欧米を中心に人工関節やカテーテルなど手術用医療器具の引き合いが急減した。「医療機器・診断器具」部門の売上高は3割以上落ち込んだ。

化粧品やベビー用品、大衆薬を含む「コンシューマーヘルス」は7%の減収だった。主力の「処方薬」は2%増収となったが、他部門の落ち込みを補えなかった。

一方、新型コロナや景気悪化のマイナス影響が従来予想ほどではないとして、20年12月期の通期業績見通しを引き上げた。4月時点では為替などの影響を除いた実質ベースの売上高を前期比3%減~0.5%増の範囲としていたが、今回は0.8%減~1%増に見直した。

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