ロシア、ワクチン研究にサイバー攻撃か 米英カナダが非難

2020/7/16 23:42 (2020/7/17 5:31更新)
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英政府はロシア情報機関傘下のハッカー集団によるサイバー攻撃の疑いがあると発表した=ロイター

英政府はロシア情報機関傘下のハッカー集団によるサイバー攻撃の疑いがあると発表した=ロイター

【ロンドン=中島裕介、モスクワ=小川知世】英政府は16日、ロシアのハッカー集団が新型コロナウイルスのワクチンを開発する英米やカナダの研究機関にサイバー攻撃をしかけていると発表した。英国家サイバーセキュリティーセンター(NCSC)は同集団がロシア情報機関と関係している可能性が極めて高いと認定した。

英政府は同日、米国家安全保障局(NSA)やカナダの当局と連名でロシアのハッカー集団による攻撃を非難する声明を出した。攻撃はワクチンの情報や知的財産を盗み出す目的とみられるとしている。

ラーブ英外相は「ロシアの情報機関が新型コロナと闘うために活動している人を標的にすることは全く容認できない」と非難した。

今回のサイバー攻撃は「APT29」(別名「コージーベア」)と呼ばれるグループの一員によるもので、NCSCはAPT29が95%以上の確率でロシア政府の情報機関の一部であるとみている。2016年の米大統領選への介入にも関与したとされる。

主にマルウエア(悪意のあるプログラム)を相手に送りつけて、感染した端末からデータを盗み出す手法を繰り返していたもようだ。攻撃を受けた組織の名前や被害の有無は明らかにしていないが、世界の複数の組織がターゲットになったという。攻撃を受けた各国のサイバー防衛当局は連携し、防衛手段を講じる。

英政府は同日、ロシアのハッカーが不当に入手した政府の内部文書を使い、19年末の英国総選挙に介入したとも発表した。ハッカーが内部文書をSNS(交流サイト)などで広く宣伝したと批判した。

内部文書は米英自由貿易協定(FTA)交渉に関わる文書で、英国の公的医療制度の参入障壁の緩和の可能性が示唆されていた。ジョンソン英政権に不利になる内容で、選挙運動中に最大野党・労働党がこの文書を材料に与党・保守党を批判した経緯がある。

ロシア側は選挙介入について「英国の指導部は反ロシアのわなに陥り、英ロ関係と自らのイメージを損ない続けている」(下院のスルツキー外交委員長)と反論する。

タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は16日、サイバー攻撃への関与を否定し「このような非難は受け入れられない。選挙介入に関する根拠のない非難についても同様だ」と反論した。

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