ゴム手袋最大手トップ・グローブ、米が輸入差し止め

アジアBiz
2020/7/16 21:30
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【シンガポール=中野貴司】マレーシアのゴム手袋世界最大手、トップ・グローブは16日、米税関・国境警備局(CBP)からゴム手袋の差し押さえ命令を受けたと発表した。外国人従業員への不当な処遇が理由とみられる。トップ・グローブは既に処遇を改善済みだと主張している。

トップ・グローブにとって、外国人労働者の処遇改善が急務になっている(同社提供)

CBPの差し押さえ命令を受け、マレーシア証券取引所はトップ・グローブ株の売買を停止した。シンガポール取引所に同時上場する同社株は前日比11%安で引けた。

トップ・グローブは16日の声明で「外国人労働者問題が差し押さえの理由である可能性がある」と説明した。現在CBPに詳細を問い合わせており、2週間以内の解決を目指しているという。

同社の工場で働く従業員1万3千人のうち、国外からの出稼ぎ労働者は1万1千人を占める。英放送局チャンネル4が6月中旬に、労働者の劣悪な環境を報じるなど処遇の改善が課題になっていた。

トップ・グローブは16日、外国人労働者に関する大半の問題は既に解決済みだとの見解を改めて示した。労働者が仲介業者に多額の手数料を徴収されていた問題は現在解決に向け協議中で、2千万~5千万リンギ(約5億~12億5千万円)を労働者に返金する見通しだ。

世界的な新型コロナの感染拡大で医療現場で使うゴム手袋の需要が急増しており、トップ・グローブの業績は絶好調だ。2020年8月期は第3四半期までの段階で、純利益が年間の過去最高を上回る5億7500万リンギに達していた。株価も年初に比べ、一時5倍超の水準まで高騰した。

トップ・グローブにとって北米は売上高の24%を占める最大の市場だ。米国からの足元の受注件数も新型コロナ前に比べ、2.5倍に増えていた。欧米の当局や投資家、消費者は労働者の搾取に対して厳しい目を向けており、問題が長期化すれば業績への影響も大きくなる。

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