京畿道知事、「ポスト文」争いに参戦 韓国で無罪確定
李洛淵前首相と候補争い

朝鮮半島
2020/7/16 18:29
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【ソウル=恩地洋介】韓国与党の次期大統領候補の一人である李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事の公職選挙法違反事件で、韓国最高裁は16日、有罪の二審判決を破棄し、高裁に審理を差し戻した。事実上の無罪判決により、李知事は与党内の「ポスト文在寅(ムン・ジェイン)」争いに参戦する資格を保った。

「韓国のトランプ」とも呼ばれ、熱狂的な支持者がいる李在明氏=ロイター

李知事は次期大統領にふさわしい人物を尋ねる世論調査で、革新系与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)前首相に次ぐ評価を得ている。歯に衣(きぬ)着せぬ発言と行動力で「韓国のトランプ」とも呼ばれ、熱狂的な支持者がいる。

李知事を巡っては2018年の京畿道知事選に立候補した際、兄弟のトラブルに関する疑惑が浮上。ソウル近郊の城南市長だった12年に、実兄を精神科病院に強制入院させるよう保健所長に指示した疑いが持たれた。知事選のテレビ討論会でその事実を否定したことから、虚偽の発言をしたとして検察が公選法違反の罪で起訴に踏み切った。

二審では罰金300万ウォンの有罪判決が言い渡された。最高裁の判断次第では当選無効と被選挙権の5年間停止が決まり、大統領選レースから脱落する可能性があったため、政界の関心事となっていた。

22年3月の大統領選に向け、与党は21年の秋に党内の予備選挙で候補者を選出する。世論調査では李前首相が圧倒的なリードを保っていたが、最近は李知事が徐々に差を縮めつつある。

韓国大手紙が8日に掲載した民間調査では、李前首相の29%に対し李知事が20%に迫った。知事の無罪判決を受け、16日の韓国メディアは「李前首相の独走揺れる」(中央日報電子版)などと報じた。

2人の李氏はともに党内の主流派ではない。今後、熾烈(しれつ)さを増す与党内の「ポスト文」争いは、多数派である「親文在寅派」の支持を得られるかどうかにかかる。李前首相は8月の党代表選への出馬を表明している。代表に就き人事権を使うなどして、脆弱な党内基盤を固める戦略を描く。

他方、李知事の強みは党派を超えた支持層の存在だ。ソウル市を囲むように位置する京畿道の人口は1300万人と、地方自治体で規模は最大。無党派層が多く、保守候補と大統領選の本選を争う観点では李前首相より有利だとの見方がある。

16日の李知事の裁判は、テレビ局が異例の生中継をした。同時刻に実施された文大統領の国会演説より裁判の放送を優先する局もあり、韓国社会の関心は「ポスト文」の行方へと移りつつある。

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