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米の経済活動「持ち直しも低水準」 FRB地区連銀報告

【ニューヨーク=大島有美子】米連邦準備理事会(FRB)は15日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、米国の経済活動は「ほぼ全地域で持ち直してきたが、新型コロナウイルス感染拡大前より大きく落ち込んだままだ」と総括した。経済再開で各州が定めた規則への対応に苦慮する小売りやサービス業の声が目立った。

5月末から7月6日までの経済情勢を、12地区連銀がそれぞれ報告した。同期間は多くの地区で小売店やサービスが営業を再開、4~5月に比べ全地区で「小売りの売上高が増えた」という。製造業の稼働状況も大半の地域で上向いたが、あくまで「極めて低水準からの回復」とした。娯楽サービスの利用も「改善したが昨年水準にはほど遠い」と指摘した。

「厳しい規則に対応できず、多くのテナントが閉まったままだ」(ニューヨーク地区のショッピングモール)。多くの州は段階的に経済を再開させる上で、感染防止のため従業員の検温、客数の制限などを課している。

セントルイス地区の飲食店は「ビジネスモデルを変えようとしているが、このままでは営業し続けるのは難しい」と述べ、規則の順守と利益の両立に悩む。「従来の半数までの客数に制限して再開したが、需要もその程度だった」(シカゴ地区のカジノ)と、客の戻りの鈍さを指摘する声も上がった。

雇用については、政府の中小企業への給与補填策により「一時解雇を防ぐことができた」(カンザスシティー地区の製造業)。一方で「8月までに売り上げが上向かなければ大量解雇するだろう」(ボストン地区のおもちゃメーカー)など、先行きを憂慮する声も目立った。

全米ではコロナ感染拡大が止まらず、事業者は経済再封鎖を警戒した動きを見せる。クリーブランド地区の飲食店は感染拡大を受け「(店内での飲食から)再び店頭で受け渡す方式に戻した」。サンフランシスコ地区の飲食店は「再び外出制限が課されることを考えて、食材の仕入れを絞っている」という。

ニューヨーク連銀が同日公表した7月の製造業景況指数は17.2となり、前月のマイナス0.2から大きく上昇した。調査期間は7月2~9日で新規受注や輸送の状況が上向いた。プラスは前月より全体の経済活動が好転したことを意味する。コロナ禍以来初のプラスとなったが、持続性が焦点となる。

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