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ゴールドマン減益回避、コロナ相場で投資銀収益最高に

(更新)

【ニューヨーク=宮本岳則】米銀の投資銀行事業に新型コロナウイルス相場の追い風が吹いた。米ゴールドマン・サックスが15日発表した2020年4~6月期決算は、純利益が24億ドル(約2560億円)と前年同期並みの水準を確保した。株式や社債引き受けなどの投資銀業務が過去最高の収益を記録し、減益決算を回避した形だ。

ゴールドマン決算は市場関係者にとって「サプライズ(驚き)」の内容となった。20年4~6月期の1株あたり利益は前年同期の実績を上回る6.26ドルとなり、証券アナリストの減益予想(3.90ドル)を覆したからだ。JPモルガン・チェースなどライバルが軒並み2ケタ減益になっていただけに堅調ぶりが目立った。ゴールドマン株は15日の米国株式市場で一時急伸し、2月下旬以来の高値をつけた。

ゴールドマンの収益を支えたのは投資銀行部門だ。同部門の純営業収益は前年同期比36%増の26億ドルとなり、四半期としては過去最高を記録した。特に企業の新株発行や社債調達を手掛ける引受事業の収益は2倍超に膨らんだ。エアラインなど資金繰り難に陥った企業の調達支援に加え、多くの企業が経済の先行き不透明感から前倒しで資金確保に動いていることが大きい。

投資家の金融商品取引を仲介するトレーディング部門も好調だった。債券売買は過去9年で最高の営業収益となり、株式売買も11年ぶりの水準となった。新型コロナの感染拡大で世界経済や金融政策の見通しが大きく変わり、年金基金やヘッジファンドなど機関投資家は運用資産の構成を見直している。顧客の売買頻度が高まったことで、ゴールドマンの収益機会も増えた。

「顧客が非常に忙しかっただけに、我々もかなり忙しかった」。ゴールドマンのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は15日の決算説明会で、4~6月期の業況をこう振り返った。融資が回収不能になるリスクに備えて計上する貸倒引当金に加え、訴訟関連費用の積み増しを迫られたが、好調な投資銀業務で吸収できた。顧客層の拡大や固定費の削減など一連の業務改革も効果があったようだ。

商業銀主体のJPモルガンやシティグループは貸倒引当金の積み増し額が大きく、前日発表の4~6月期決算は2ケタ減益となった。もっとも投資銀業務やトレーディング業務だけをみれば好調だ。JPモルガンは投資銀部門の純営業収益が66%増となり、過去最高を記録した。シティもトレーディング業務の営業収益が前年同期比48%となった。「コロナ相場」の恩恵はウォール街全体に広がっている。

投資銀業務やトレーディング業務の勢いが7~9月期以降も続くか不透明だ。ゴールドマンのソロモンCEOは、顧客の動きが足元でやや鈍ってきていると認めたものの「18年や19年のレベルに比べると非常に活発だ」と強調した。一方、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは14日の決算説明会でトレーディング業務の収益は「過去の平均並みに戻る」と指摘し、やや慎重な見通しを示した。

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