議決権行使助言会社のISS、東芝の役員選任案に賛成
東芝が31日に開く株主総会を巡り、米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が会社提案の取締役選任案に対し、「賛成」を推奨したことが15日、分かった。一方、投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントなど株主の出した取締役選任案にはすべて「反対」とした。東芝はこれら株主提案に反対すると表明していた。
東芝は車谷暢昭社長兼CEO(最高経営責任者)の続投を含む12人の取締役を選任するよう求めている。ISSは12人全員について「賛成」とした。
一方、株主提案では筆頭株主のエフィッシモと投資ファンドの3Dオポチュニティー・マスター・ファンドがそれぞれ取締役選任案を出している。エフィッシモは元花王執行役員の杉山忠昭氏、弁護士の竹内朗氏、エフィッシモ創業者の今井陽一郎氏の3人の選任を要求。3Dオポチュニティー・マスター・ファンドは2人の選任を求めている。ISSはこれら計5人の候補についてすべて「反対」とした。
東芝は1月に子会社の東芝ITサービスで不正取引が発覚。長年にわたって循環取引が行われてきたのはガバナンス(企業統治)が不十分だったためだとして、エフィッシモなどは自社が推薦する取締役を受け入れるよう求めていた。
東芝はコンプライアンスを改善するため今月、有識者による専門組織を立ち上げた。現取締役の役割や担当などについても総合的に判断し、「現在の陣容で十分に機能する」として、株主提案に反対を表明していた。
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