東京都、休業要請踏み込まず コロナ警戒レベルは最高

2020/7/15 21:32 (2020/7/16 5:39更新)
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新型コロナウイルスの感染状況について東京都は15日、警戒レベルを4段階で最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げた。感染者の急増を受け強い危機感を示し、都民に都外への不要不急の移動自粛などを求めた。一方で飲食店などへの休業要請はしなかった。「協力金」を再び支給できる財政状況になく、踏み込まなかった。

小池百合子知事は15日に開いた臨時記者会見で「現在は感染拡大警報を発すべき状況だ」との認識を示し、「検査や医療体制の強化、都民や事業者への呼びかけを多面的に講じる」と話した。

新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、都民には都外への不要不急の移動自粛のほか、感染防止ガイドラインに沿った対策を講じない店舗の利用回避などを求めた。事業者にはガイドラインに基づく対策、テレワークや時差通勤の徹底などを要請した。

都は7月に入り「感染状況」や「医療提供体制」に関する新たな数値項目のモニタリングを始めた。15日にそれらの状況を専門家らと分析するモニタリング会議を開催し、4段階の感染状況の評価を従来の「感染が拡大しつつある」から「感染が拡大している」へと1段階引き上げた。

都内では15日、新たに165人の感染が確認された。100人を超えたのは7日連続。15日時点ではモニタリング項目である直近1週間平均の新規感染者は186.6人と緊急事態宣言下の最大値を上回り、経路不明者も87.4人と前週の2倍となった。

宣言解除後の6月以降に感染者が増え始め、特にホストクラブなど「夜の繁華街」関連の20~30代で感染が急増した。7月には職場や家庭内、高齢者施設など感染経路は多岐にわたり、感染者の年齢層も広がっている。

モニタリング会議で専門家は「第2波がかなり近い」と説明。対策をとらなかった場合、1日当たりの経路不明者が4週間後に現在の16倍、1200人に膨らむと試算し強い危機感を示した。

警戒レベル引き上げで強く注意喚起する一方、飲食店などへの幅広い休業要請はしなかった。

緊急事態宣言下では休業要請に伴い、中小事業者に最大100万円の「協力金」を支給した経緯がある。ある都幹部は「『休業要請と協力金はセット』と受け止められており、要請だけでは済まない」と明かす。協力金の支給は市区町村が特定の店舗に休業要請した場合にとどめる方向だ。

一連のコロナ対策で都は1兆円以上を費やした。都の貯金にあたる財政調整基金は19年度に9千億円を超えたが、20年度は約800億円に減る。財政は余力に乏しく、経済活動への影響もにらむと「切れるカードが見当たらない」(都幹部)。

小池氏は15日の会見で今後に備え、休業要請に応じない事業者に対する罰則の適用など、国に特措法の改正を強く求める考えを示した。

モニタリング会議では医療提供体制も協議。重症者数が横ばいで推移しており、上から2番目の「体制強化が必要」の評価を据え置いた。

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